11月20日 選挙区見直し途中経過
Source :Republicans Gain Heavy House Edge in 2022 as Gerrymandered Maps Emerge (New York Times)
2022年秋の中間選挙に向けて、選挙区の見直し作業が進んでいる。上記sourceによれば、12州が既に見直し作業を終えたそうだ。

その結果をみると、共和党が4州(Iowa, North Carolina, Texas, Montana)で議席増、民主党が2州(North Carolina、Iowa)で議席減となりそうとのことだ。

もしもこの推計が当たっているとして、議席数の変化を考慮して計算してみると、次のような結果が得られる(「Topics2021年4月27日 センサス結果第1弾」参照)。 単純に足し算してみると、上記4州だけで共和党は6議席増となる。現在の連邦議会下院の共和党議員数は213だから、過半数(218:全議席数は435)を握るためにはあと5議席増加するだけでよい。もちろんこれだけで議席数が決まる訳ではないが、共和党に有利な状況が展開されていると言ってよいだろう。

その背景として、理想的な提案とは逆に、現実は党派色の濃い選挙区見直しが着々と進んでいるということだ(「Topics2017年6月25日 ゲリマンダリングの合憲性」参照)。実際、上記sourceでは、2020年の下院議員選挙で、激戦となったのはわずか61選挙区であったと紹介している。

また、形式とは別に、実際に『実際に案作りに参画する人の党派別はどうか』を見る必要がある。8月に一度紹介しているが、その時点と比べると、実際には民主党が選挙区見直しの主導権を持っている州が一つ(RI州)増えている(「Topics2021年8月5日 選挙区見直しの主導権」参照)。
 ⇒  Source : Who Draws the Lines (All About Redistricting
これを選挙区別に見ると、共和党有利なのは187選挙区で変わらないが、民主党有利な選挙区は75から84に増えている。選挙区見直しの主導権を共和党が着実に広げてきたことに対し、民主党も対抗措置を広げているのである。

※ 参考テーマ「中間選挙(2022年)」、「政治/外交

11月19日 OSHAルールは第6控訴裁判所へ
Sources : 6th Circuit Court 'wins' lottery to hear lawsuits against Biden's vaccine rule (NPR)
6th Cir. lottery pick a 'favorable' draw for OSHA vaccine mandate's challengers (HR Dive)
11月12日、第5控訴裁判所は、OSHAが公表した民間企業ワクチン接種義務規則の執行差し止めを命じる判決を下した(「Topics2021年11月15日(1) 企業接種義務規則差止」参照)。

このOSHAルールを巡っては、全米で34の訴訟が提訴されている。それらは、全控訴裁判所の所管地域にわたる。

そこで、12の控訴裁判所の中から一括審議をする裁判所を決めるための抽選を行なった。その結果、選ばれたのは第6控訴裁判所であった。その控訴裁判所の裁判官の構成は、上記sourceによれば、民主党系が8人、共和党系が20人とされている。担当する裁判官は3人で、その選出もランダムとされているが、共和党系が多くなる確率が高いことは間違いない。

となると、判決は『OSHAルールは違憲』となる可能性が高いということになるが、いずれもそこで退くことは考えられず、間違いなく連邦最高裁まで持ち込まれることになろう。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活」、「司 法

11月18日(1) 複数事業主プラン資産超過に
Source :PBGC Releases FY 2021 Annual Report (PBGC)
11月16日、PBGCの2021年度アニュアルレポートが公表された。

単独事業主プラン向けは黒字倍増、複数事業主プラン向けは何と資産超過となった。
複数事業主プラン向けは、2026年には基金が枯渇すると予想されていたところからの大転換である(「Topics2020年9月16日 PBGC財政状況の変化」参照)。すべては、今年3月に成立した$1.9Tコロナ経済対策法(American Rescue Plan Act of 2021)のお蔭である(「Topics2021年7月16日 複数事業主プランへの支援策」参照)。将来の存続が危ぶまれる250超ものプランに関する給付債務を下ろすことができたのである。上の表を見れば、巨額の債務がなくなっていることがわかる。

※ 参考テーマ「PBGC/Chapter 11

11月18日(2) Medicare保険料・免責額
Source :2022 Medicare Parts A & B Premiums and Deductibles/2022 Medicare Part D Income-Related Monthly Adjustment Amounts (CMS)
11月21日、2022年のMedicare保険料、免責額等が公表された。

Part A Deductible and Coinsurance Amounts for Calendar Years 2021 and 2022
by Type of Cost Sharing

2021

2022

Inpatient hospital deductible

$1,484

$1,556

Daily coinsurance for 61st-90th Day

$371

$389

Daily coinsurance for lifetime reserve days

$742

$778

Skilled Nursing Facility coinsurance

$185.50

$194.50



Part B Premium and Deductible for Calendar Years 2021 and 2022
by Type of Cost Sharing

2021

2022

Premium

$148.50

$170.10

Deductible

$203

$233

Medicare Part Bの保険料、免責額が15%増と大きく伸びている。この理由として、①医療費価格が上昇した、②2021年の保険料等が政治的意図で低く抑えられた、③アルツハイマー病処方薬などの高価な薬が適用された、などが挙げられている。

※ 参考テーマ「Medicare

11月17日 EWAサービス
Source :Early wage payments draw scrutiny (HR Dive)
以前、Paycardについて紹介したことがある(「Topics2010年12月1日 "Paycards"」「Topics2018年2月9日 Paycard手数料負担」参照)。これは、銀行口座を持たない従業員への給与支払いに便利ということで普及した。

上記sourceで紹介しているEarned Wage Access (EWA)サービスとは、Paycardなどはとっくに超えて、給与の前借りができるサービスだ。正確に言うと、既に労働した対価分を給与支払日前に引き出すことが可能なサービスだ。このEWAサービスは、大きく2つのタイプに分けられるそうだ。 前者については、2020年で約5,600万回利用され、利用金額は総額$9.5Bに達する。
後者についても、利用アプリが100万以上ダウンロードされている。

このように大きな広がりを見せているEWAサービスだが、消費者保護が不足しているのではないか、との指摘が増している。ポイントは、前借り部分が債務なのかどうか、だ。給与日前なのだがら前借りであり、前借りであれば債務だろう、という考え方が一つ。もう一つは、賃金債権が確定しているのだから債務ではない、という考え方だ。

サービスタイプのうち、企業がサービス契約に参加している場合(前者)は、賃金債権の範囲を企業側が把握しており、その範囲内で従業員が引き出すことはあまり問題がないように思う。逆に、後者のタイプは、印象としては完全に消費者ローンであり、引き出し額は従業員の債務になろう。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

11月16日 企業プラン保険料は4%増(2)
Source :Average Family Premiums Rose 4% This Year to Top $22,000; Employers Boost Mental Health and Telemedicine amid COVID-19 Pandemic, Benchmark KFF Survey Finds (KFF)
企業保険プランの定点観測である(「Topics2020年10月11日 企業プラン保険料は4%増」参照)。2022年調査結果のポイントは次の通り。
  1. 家族プラン保険料は、平均$22,221。今年に較べて4%上昇(「Topics2021年10月8日 2022年企業プランは4.7%増」参照)。
  2. 伸び率は賃金(5%)とほぼ同じ、物価上昇率(1.9%)よりはかなり高い。2011年からの比較では47%も上昇しており、賃金、物価の上昇率を大きく上回っている。
  3. 1999年と較べると、3倍近い金額になっている。
  4. 伸び率自体は、2000年代に較べ、2010年代以降は落ち着いてきている。
  5. 従業員の拠出額は$5,969。
  6. 個人プランの免責額は平均$1,669で、2019($1,655)、2020年($1,644)とほぼ変わらないが、2011年の$691からは大きく増額している。
  7. 大企業の中で退職者医療プランを提供しているのは27%。
※ 参考テーマ「医療保険プラン

11月15日(1) 企業接種義務規則差止
Source :Federal appeals court halts Biden's COVID-19 vaccine rule for large businesses (CBS News)
11月12日、第5控訴裁判所は、OSHAが公表した民間企業ワクチン接種義務規則の執行差し止めを命じる判決を下した(「Topics2021年11月8日(2) 企業接種義務規則仮差止」参照)。今回の規則の作成、公表は、OSHAの権限を超えているとの判断だ。

これに対して、司法省は同規則の有効性を全力で確保すると表明し、さらに争う姿勢を明確にした。

AP通信の報道によれば、少なくとも27州がOSHA規則に対して同様の訴訟を起こしている。連邦最高裁まで持ち込まれるのは必至の様相だ。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活」、「政治/外交

11月15日(2) Amazon:NY労組結成要求取り下げ
Source :Amazon workers in New York withdraw petition to unionize (NPR)
NYにあるAmazonの4施設で、労組結成に向けた動きが展開されていた(「Topics2021年10月22日 Amazon:NYで労組結成要求」参照)。ところが、NLRBは、労組結成を求めていた従業員達が、労組結成投票実施の承認申請を取り下げたと発表した。取り下げの理由は明確にされていない。

再び労組結成投票を要求することはできるということだが、結成に向けた動きが一旦は泊まることになる。

気になるのは、上記sourceで、労組結成運動をしていたAmazon Labor Unionのリーダー、Christian Smalls氏からコメントが取れなかったことが記されている。このAmazon Labor Unionはネットで寄付募集を行なっており、現時点で$41,314が集まっている。
これは労組結成を支援するための募金であり、今回の申請取り下げでこの募金はどこに行ってしまうのだろうか。

※ 参考テーマ「労働組合

11月14日(1) 接種拒否者失業給付
Source :States Decide if Workers Fired Over Vaccine Mandates Can Collect Unemployment (Route Fifty)
アメリカでは、一般的に『ワクチン接種を義務付けた企業で、接種拒否を理由に解雇された労働者は、失業給付を受けるのが難しくなる。』(「Topics2021年9月1日(1) ワクチン拒否と失業給付」参照)

そうした中、接種拒否を理由に解雇された労働者にも失業給付を認めようとの動きがある。 IA州の州法が成立した際には、共和党が多数を握る州で続々と同様の州法が広がっていくのかと思ったが、どうもそうではないようだ。Tennessee州もMissouri州も、知事、上下州議会とも共和党が握っているが、動きは鈍い。

それは、共和党には『働ける者は働け』という基本的なスタンスがあるからだ。直近の例では、失業保険の上乗せ給付だ。共和党が握っている州では、期限前に上乗せ給付を停止してしまった(「Topics2021年6月13日 失業保険上乗せ給付停止」参照)。

共和党にとっての王道は、ワクチン接種義務化禁止の法制化なのだろう。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策」、「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

11月14日(2) 契約企業の接種完了期日
Source :White House Clarifies Contractor Vaccination Deadline (Government Executive)
11月12日、連邦政府契約企業におけるワクチン接種義務規則について、さらに明確にされた(「Topics2021年11月6日(1) 企業接種期限は1月4日」参照)。
  1. 連邦政府契約企業においてワクチン接種義務の対象となる従業員について、ワクチン接種完了期限は1月18日。これは、ワクチン接種期限とされた1月4日から2週間後で、ワクチン接種の効果が顕現するのが接種2週間後という知見と整合している。

  2. 1月18日以降の新規契約時、契約更新時に、対象従業員のワクチン接種が完了していなければならない。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

11月13日 労働市場の逼迫続く
Source :Job Openings and Labor Turnover Summary (BLS)
11月12日、BLSが、9月末の求人数を発表した。9月末の求人数は1,040万人となり、8月末が上方修正されたために、引き続き微減となった(「Topics2021年10月13日(1) 自発的離職が急増」参照)。

BLS
また、新規雇用数は、650万人と3ヵ月連続減少となった。

BLS
9月の失業者数/求人数は0.7と、7, 8月からさらに一段と低下した。


BLS
9月の自発的失業(Quits)は443万人(P)で、増加傾向が続いている。
Quits level, Total nonfarm - 2019~2021年

Quits level, Total nonfarm - 2007~2021年
労働市場の逼迫が続いている。

※ 参考テーマ「労働市場

11月12日 CPI急騰
Source :Inflation surges to its highest since 1990 (NPR)
11月10日、BLSは10月の物価指数を公表した(News Release)。前月比0.9%、前年同月比6.2%の上昇となった。前年同月比では1990年11月以来の記録的な上昇となった。
その要因を見ると、エネルギー価格の上昇が飛び抜けて大きい。
振り返ってみると、今年2月以降、エネルギー価格の上昇が加速している。
食料品も6月以降、上昇を加速させている。
エネルギー、食料品を除いた物価指数も追随している。このあたりは、賃金上昇の影響を受けている可能性がある(「Topics2021年11月3日(2) ECI急騰」参照)。
専門家はやがてエネルギー価格の高騰は収まるだろうとみているそうだが、むしろ労働コスト上昇に起因する価格上昇がメインになってくるかもしれない。

加えて、この物価上昇が最低賃金議論にどのように影響するかも関心事項の一つである。

※ 参考テーマ「労働市場