12月10日(1) 下院議長が激怒 
Source :House Democrats Voice Opposition to Tax Cut Deal (New York Times)
Obama大統領が提示した共和党との妥協案に対し、下院民主党は怒っている。7日朝の下院民主党議員総会で、一致して反対を決議した。中でも激しく怒っているのが、Pelosi下院議長で、議長権限により本会議の票決に付さない、とまで言っている。

下院民主党が特に問題視しているのは、次の2点。
  1. 超高額所得者についてもブッシュ減税を継続する。
  2. 遺産税の税率が低すぎる。基礎控除額が高過ぎる。
それにしても、与党の下院議長が大統領に真っ向から反発するというのは異例の事態である。この2年間、対立の構図は度々あったものの、ここまで深刻なのは初めてである。

ところが、冷静に情勢を見渡すと、実は下院民主党は追いつめられているのである。 つまり、大統領提案を覆すだけの政治力はないものと見切られているのである。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策」、「公的年金改革

12月10日(2) 夢で終わった"Dream Act" 
Source :Senate Democrats Put 'Dream Act' on Hold (New York Times)
不法移民の子弟でも、一定期間高等教育を受けたり軍隊に入隊したりした者には法的地位を賦与する、という法案が審議されていた。その名も"DREAM Act of 2010"(S.3992)。

同法案は、8日に下院を通過したものの、9日、上院で審議先延ばしが決定された(Roll Call Vote 268)。

これで、不法移民に関する抜本改革はしばらく見通しが立たないことになった。なぜなら、来年から2年間は、共和党が下院を支配することになるからだ。共和党は不法移民に法的地位を賦与することに一貫して反対している。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

12月10日(3) 連邦最高裁も賛否両論:AZ州法論議 
Source :High court torn on Ariz. law sanctioning companies hiring illegal immigrants (Washington Post)
AZ州法が連邦政府の専権事項を侵しているかどうかで争われている裁判(「Topics2010年10月4日 USCCがAZ州法に反対」参照)で、連邦最高裁判事の間でも意見が分かれているそうだ。

争点は2つ。
  1. 不法移民と知りながら雇用した企業に対する罰則で、AZ州政府がその企業の事業免許を剥奪できるとしている点

    AZ州政府側も、連邦政府、全米商工会議所(USCC)側も、移民法違反に対する罰則は連邦政府の専権事項であることは認めている。しかし、法律の文面上、事業免許による罰則は例外と読めるのである。AZ州政府は連邦法に書いてある通りにやっているだけ、と主張し、反対する側は連邦政府よりも執行力の強い罰則を課すのは、実質上専権事項を侵すことにつながる、と主張している。

  2. AZ州政府が"E-Verify"の利用を義務付けている点

    AZ州政府は、E-Verifyは連邦政府による情報提供であり、これに依存した確認を求めているのだからいいじゃないか、と主張している。一方の連邦政府側は、E-Verifyの信頼性に疑問があり、任意で利用すべきものであり、AZ州政府のように利用を義務付けることはできない、と主張している。
これらの争点について、連邦最高裁判事も意見が分かれているというのである。連邦政府と州政府の権限について、司法見解をまとめるのは本当に難しいことのようだ。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

12月9日(1) "Doc Fix"1年延長へ 
Source :Senate leaders agree on 'doc fix' (POLITICO)
Medicareの"Doc Fix"を来年1年間延長することについて、上院の両党幹部が合意した(「Topics2010年11月20日(3) "Doc Fix"延長」参照)。詳細はこれからだが、ポイントは次の2点。
  1. "Doc Fix"を2011年の1年間延長する。必要額は$19.2B。

  2. 2014年以降の保険購入補助金について、年途中で所得増があった場合の返還額を見直す。現行規定では、返還額は個人の場合は$250以下、家族の場合は$450以下となっている。この上限額を所得に応じて$600〜$3,500に設定する。
これで、年途中のつぎはぎ審議は不要となるが、問題解決にはほど遠い。
  1. 課題解決を1年先送りしたに過ぎない。また来年の今頃には、その先どうするのかを検討せざるを得ない(AP)。

  2. NCFRR報告書では、新たなMedicare診療報酬体系を導入するとしている(「Topics2010年12月5日 NCFRR報告書」参照)。しかし、それにしても、$200Bの財源を捻出しなければならない。

  3. 医療保険改革法の財源手当が曖昧になりつつある。同法では、現行のMedicare償還額の削減規定を前提としており、これを見直して新たな体系が本当にできるのか。それができなければ財政赤字は大幅に拡大することになる。しかも、民主党自ら医療保険改革を見直し、かつ財源を先食いしてしまった。これは共和党にもつけ入る隙を与えたことにはならないだろうか。
当初からの懸念通り、医療保険改革はMedicareの扱いで危くなりつつあるようだ。

※ 参考テーマ「Medicare

12月9日(2) 病欠濫用対策 
Source :The Sick-Day Bounty Hunters (BusinessWeek)
アメリカ企業では、病気と偽って有給休暇を取得し、遊びに行っているケースが増えているそうだ。つい先日も、BusinessWeek誌に、『病欠取得のための秘儀』みたいな特集記事があったのを記憶している。

これに対し、企業側も対策を講じているが、上記sourceで紹介されているのは、探偵を雇って動かぬ証拠を突き付け、解雇するというものである。何でも、2008年に、Raybestos Pruductsという企業が病欠濫用の疑いのある従業員を尾行させるために勤務時間外の警官を雇ったというケースがあったそうだ。この警官は虚偽であるとの証拠を集めて雇い主に報告し、これに基づいて企業はこの従業員を解雇した。元従業員はこの企業を訴えたが、裁判所はこれを退けた。その際、裁判官は、「企業の採った行為は決して好ましいものではないが、違法行為ではない」と述べている。

この判決を境に、病欠濫用探偵というビジネスが急速に成長している。

また、病欠濫用が増えている背景には、景気後退、雇用市場の悪化の中で、本当は転職したいのに転職できないため、仕事に情熱が湧かない、といった社員が増えていることがあるという。

2008年という年は、アメリカに深い傷を残した年のようである。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

12月8日(1) 民主党幹部の反発 
Source :Obama Confronts Pushback From Democrats Over Tax Deal (BusinessWeek)
Economists raise forecasts for 2011 US growth (Financial Times)
予想通り、Obama大統領が切ったカードに対して、民主党幹部は猛反発している(「Topics2010年12月7日 ブッシュ減税と失業給付」参照)。政策論議はもちろんのこと、『妥協というのは戦った後に出てくるものなのに』という、政治手法に対する批判も強いようである。こうした雰囲気を受けて、Obama大統領は、予定になかった記者会見を開催し、自ら妥協案を弁護するといった事態にまで追い込まれている。

ところで、昨日の紹介で、「公的年金保険料の2%引き下げ」と紹介したが、もう少し詳細が報じられているので、まとめておきたい。
  1. Payroll taxとは、Social Security & Medicareのための保険料

  2. この保険料を2011年の1年間に限り、2%引き下げる

  3. 現行の保険料は12.4%で、労使折半している。今回の2%引き下げ案は、従業員分6.2%を2%引き下げるというもので、企業側負担は変わらない。

  4. 年収$40,000の個人にとっては$800の負担減、年収$106,800以上の者にとっては$2,136の負担減となる。

  5. 負担減の総額は$$120Bとなり、その経済効果は$185Bと推計される。
最後の点について、エコノミスト達はポジティブ・サプライズと受け止めているそうだ。障害となるのは、むしろ政権内のガイトナー財務長官の方だろう。

※ 参考テーマ「公的年金改革

12月8日(2) Proposition8の正当性論議 
Source :Gay marriage: all eyes on 9th Circuit panel (Los Angeles Times)
今年8月の第9控訴裁判所の決定(「Topics2010年8月17日(1) CA州同性婚はお預け」参照)に従い、CA州のProposition8の正当性を検討する小委員会が設置された。小委員会のメンバーに指名された裁判官は3名で、保守1人、リベラル1人、穏健派リベラル1人という構成である。

この小委員会での論点は次の2点。
  1. 同性婚反対派が連邦地方裁判所の判決に対して控訴できる法的根拠はあるのか。

  2. 2008年の州民投票自体が連邦憲法に違反していないか。
小委員会で結論が示されたとしても、第9控訴裁判所全体の判決、連邦最高裁判所と議論は続いていく。

※ 参考テーマ「同性カップル

12月7日 ブッシュ減税と失業給付 
Source :Statement by the President on Tax Cuts and Unemployment Benefits (The White House)
中間選挙の結果を受けて、今後の議会運営をどうするのかが注目されていたが、ついにObama大統領がカードを切った。ブッシュ減税を継続する代わりに失業給付の延長を申し入れ、共和党は概ね合意した。

合意内容は次の通り。
  1. ブッシュ減税を2年間延長する。(仮に廃止すれば、一般的な家庭で年間$3,000の負担増となる)

  2. 失業給付の拡充を13ヵ月延長する。

  3. 来年1年間に限り、公的年金保険料を2%引き下げる。

  4. 来年1年間、減価償却の100%即時償却を認める。

  5. 遺産税の復活(基礎控除$5M/個人)
ただし、このような妥協案に対しては、民主党からの猛反発が予想される(Washington Post)。7日に、Biden副大統領が上院・下院民主党とそれぞれ会合を持ち、協力を求めることになっているが、その行方に注目したい。

なお、公的年金保険料の時限引き下げについては、NCFRR報告書が提案した検討事項を先取りした形になっている(「Topics2010年12月5日 NCFRR報告書」参照)。『社会保険料は雇用課税』との正しい認識が共有されていることが確認できる。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策」、「公的年金改革

12月5日 NCFRR報告書 
Source :The Moment of Truth: Report of the National Commission on Fiscal Responsibility and Reform (National Commission on Fiscal Responsibility and Reform)
報告書に盛り込まれた財政健全化策のメニュー概要(当websiteの関心事項のみ)は次の通り。 ※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare

12月4日(1) 11対7 
Sources :Backing for Fiscal Panel’s Plan Grows (New York Times)
Deficit plan wins 11 of 18 votes; more than expected, but not enough to force action (Washington Post)
12月3日、National Commission on Fiscal Responsibility and Reform最終報告書案に関する投票が行われ、結果は11対7であった(「Topics2010年12月2日(1) NCFRR最終報告書案」参照)。通常であれば報告書案は了承されたことになる。しかし、賛成票が14票に達しなかったため、連邦議会への送付、審議は行われないことになった。

上記sourceでは、
@予想以上に賛成票が集まった
A賛成票が民主、共和両党から入っている
などをとらえて、今後の議論に期待が持てるような論調となっている。

また、Obama大統領も、この報告書を賞賛し、来年1月末の一般教書(そして予算教書)で、報告書に盛り込まれたいくつかの提案を採用して、大統領提案を行いたいとしている。

しかし、である。投票結果はまだ公式に示されていないが、上記sourcesからまとめてみると、次のようになる。
共 同 議 長 (Co-Chairmen)
Erskine Bowles
Chief of Staff to President Clinton
Sen. Alan Simpson
Former Republican Senator from Wyoming
上 院 議 員
Sen. Max Baucus (D-MT)×Sen. Tom Coburn (R-OK)
Sen. Kent Conrad (D-ND)Sen. Mike Crapo (R-ID)
Sen. Richard Durbin (D-IL)Sen. Judd Gregg (R-NH)*
下 院 議 員
Rep. Xavier Becerra (D-CA 31)×Rep. Dave Camp (R-MI 4)×
Rep. Jan Schakowsky (D-IL 9)×Rep. Jeb Hensarling (R-TX 5)×
Rep. John Spratt (D-SC 5)*Rep. Paul Ryan (R-WI 1)×
民 間 委 員
Alice Rivlin
Senior Fellow, Brookings Institute
former Director, Office of Management & Budget
David Cote
Chairman and CEO, Honeywell International
Andrew Stern
former President, Service Employees International Union
×Ann Fudge
Former CEO, Young & Rubicam Brands

*印の議員は次期連邦議会では議席を有しない
ここからわかることは、 つまり、現実の立法過程を考えれば、この報告書は、実現の可能性がまったく見出せないのである。

要するに、今回のNCFRR報告書は、財政健全化のための方策の『メニューリスト』と位置づけざるを得ない。

※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare

12月4日(2) 同性カップルに権利賦与:IL州 
Source :Civil Unions Approved in Illinois (New York Times)
1日、IL州議会は同性カップルに異性婚と同等の権利を賦与する法律を可決した。州知事は署名する意向という。これにより、東西海岸地域だけでなく、内陸部でもこうした動きが活発になりそうである。
同性婚の法的ステータス
州法州最高裁判決他州認可同性婚承認認可法案審議中異性婚同等権利賦与
MassachusettsA@
Vermont
ConnecticutA@
Iowa
New Hampshire
Washington, D.C.
California○→×(→○)*
Rhode Island
New York
Maryland
New Jersey
Oregon
Washington
Nevada
Hawaii
Wisconsin
Illinois
Maine○→×

* CA州最高裁判決○ → Proposition 8× → 連邦地方裁判所○ → 第9控訴裁判所で審議中
※ 参考テーマ「同性カップル

12月3日 失業給付は徐々に縮小へ 
Source :How to know when your jobless benefits will run out (Los Angeles Times)
1日、連邦議会は失業給付の拡充延長を議決することができず、このままいけば、徐々に拡充策が剥落していくことになる。

上記sourceは、CA州の例をとり、既に25万人が失業給付を打ち切られ、年末までに45万人以上が給付を打ち切られるのではないか、との推計を紹介している。CA州は失業率が12.4%と図抜けて高く、失業給付も最長の99週となっている。これが徐々に縮小されていけば、相当なダメージになることは間違いない(給付縮小の想定スケジュール)。

これも財政健全化のためといってしまえばお終いだが、Obama政権の求心力の低下は目を覆いたくなるばかりである。

※ 参考テーマ「解雇事情/失業対策

12月2日(1) NCFRR最終報告書案 
Source :Two Senators Endorse Debt Panel Plan (New York Times)
1日、National Commission on Fiscal Responsibility and Reform最終報告書案を公表した(「Topics2010年11月11日 社会保障改革プラン」参照)。

上記sourceでは、連邦議会上院の両党重鎮が最終報告書案を支持しているとのヘッドラインだったので、そうかそうかと思って読んでいたら、実は、NCFRRのメンバーの中で支持を表明している人はそれほど多くなく、むしろ明らかに反対の意思表明をしている議員が多くいる、という。

上記sourceの情報をまとめてみると、次のようになる。
共 同 議 長 (Co-Chairmen)
Erskine Bowles
Chief of Staff to President Clinton
Sen. Alan Simpson
Former Republican Senator from Wyoming
上 院 議 員
Sen. Max Baucus (D-MT)Sen. Tom Coburn (R-OK)
Sen. Kent Conrad (D-ND)Sen. Mike Crapo (R-ID)
Sen. Richard Durbin (D-IL)Sen. Judd Gregg (R-NH)
下 院 議 員
Rep. Xavier Becerra (D-CA 31)Rep. Dave Camp (R-MI 4)×
Rep. Jan Schakowsky (D-IL 9)Rep. Jeb Hensarling (R-TX 5)×
Rep. John Spratt (D-SC 5)Rep. Paul Ryan (R-WI 1)×
民 間 委 員
Alice Rivlin
Senior Fellow, Brookings Institute
former Director, Office of Management & Budget
David Cote
Chairman and CEO, Honeywell International
Andrew Stern
former President, Service Employees International Union
Ann Fudge
Former CEO, Young & Rubicam Brands
現時点で、既に7対3と、反対票が3票も入っている。規定では委員18人のうち14人の賛成票がなければ連邦議会に送付できない。そう考えると、あと8人のうち2人が反対票を投じれば、ここで議論が止まってしまう。かなり瀬戸際まで追い込まれているのである。

ということで、おそらく12月1日の最終日に投票を行わず、票読み及び説得を行うために、投票を金曜日の3日まで延期したのだろう。

以前にも書いたが、Obama政権下で党派間の亀裂は深まってしまった(「Topics2010年11月5日(1) 地方選も共和党圧勝」参照)。そうした政治環境下で社会保障改革をまとめるのは難しいかもしれない。

提言案のポイントについては、次にまとめることとする。

※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare

12月2日(2) Value-based Insurance 
Source :In New Insurance Model, Costs Are Based On Value Of The Treatment (Kaiser Health News)
アメリカでは新たな保険プランモデルが模索されているようだ。一般名称としては、"value-based insurance design"と呼ばれている。従業員の保険料負担や自己負担などは、従来、診療費に基づいて、例えば、この診療行為についてはいくらのコストがかかるから、その○%分を負担する、といった形だ。

ところが、新モデルでは、そこに保険プラン提供者(多くの場合は事業主)の価値判断を組み合せ、従業員を誘導したい診療、予防についてはアメ(負担軽減)を、使い過ぎであったり好みの領域のような診療についてはムチ(負担増)を導入する。

もちろん、効果のほどはまだわからないものの、健康管理とコスト削減が両立すれば、それに越したことはない。ただ、気をつけなければいけないのは、保険プラン提供者の価値判断が正しいのか、有効なのか、ということである。当然、保険会社や医療コンサルタントのサービスは受けるのだろうが、ここを間違うと、価値判断が狂うばかりか、悪くすれば訴訟になりかねないリスクを孕んでいると思う。

※ 参考テーマ「医療保険プラン

12月1日 "Paycards" 
Source :More employers offering paycards to workers instead of checks (Los Angeles Times)
給与・報酬の代名詞として長らく使われてきた"paychecks"だが、いよいよその使命を終えようとしているようだ。

上記sourceによれば、全国の家庭のうち8%は銀行口座を持っていない。こうした労働者への給与支払い手段として、"paychecks"よりも"paycards"が一般的になりつつあるそうだ。

"Paycards"とは、その名前からも連想できるように、プラスチックのデビットカードで、PIN(Personal Identification Numbers)を入力することにより、ATMで現金を引き出せたり、スーパーで代金支払いができたりするものである。事業主側からすると、紙ベースの"paychecks"よりも"paycards"の方がコストとリスクを削減できるというメリットが大きいようである。

実際、上記sourceで紹介されている人材派遣会社では、paycardsを導入してわずか4ヵ月後に17%がpaycardsを選択し、20%がpaychecksを継続し、残りの63%が銀行振り込みを選択している。労働者の側でも、checksを換金したり、支払い時に一々サインするという煩わしさとコストを減らすことができるので、便利と感じているのだろう。

しかし、新しい支払い手段であるがゆえに、課題も多く残されている。いくつかの州ではpaycardsに関する規制が法制化されているが、それは少数であり、CA州を含め、法整備ができていない。

例えば、CA州では、「州労働基準局の意見」により、報酬期間のうち一回に限り、引き出し手数料をゼロにするよう求められている。しかし、二回目以降の引き出し手数料、paycardsの月額管理料などに関する規制は何もない。

ちなみに、二大カード会社のpaycards情報は、次の通り。
VISAAPA Visa Paycard
MasterPayCard
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制