3月31日 加入者負担ゼロ(COVID-19)
Source :Some Insurers Waive Patients' Share Of Costs For COVID-19 Treatment (NPR)
3大保険会社が、COVID-19関係医療の加入者負担を免除する旨発表した。連邦政府の2兆ドル対策の要請を受けたものである(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)。 加入者負担とは、免責額、窓口負担が含まれており、特に免責額は最近高額に設定されていることが多くなっているため、患者にとっては大いに助かるものと思われる。

連邦政府からの要請とは言え、すべての民間保険会社が呼応するかどうかわからない、そして、無保険者にとっては何のメリットも生じない。低所得層の無保険者こそ感染した場合に支援しなければならない対象だろう。

(4/1追記)
全米医療保険協会がHPで個別保険会社の対応ぶりをまとめて公表。

※ 参考テーマ「医療保険プラン

3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)
Source :What's Inside The Senate's $2 Trillion Coronavirus Aid Package (NPR)
3月27日、トランプ大統領は2兆ドル規模のコロナウィルス対策法案(The CARES Act)に署名し、同法案は成立した。上記sourceは、その内容をコンパクトにまとめたものである。以下、そのポイント。
  1. 個 人

    1. 家計への現金給付:総額は3,000億ドル。独身に$1,200、夫婦に$2,400、子供一人につき$500。所得制限あり(下図参照)。判断基準は、2018または2019年の納税申告書。年金受給者は、SSAの記録に基づき給付。
    2. 失業保険給付の増額:総額2,600億ドル。州政府からの給付に加えて、連邦政府から一人毎週$600の追加給付(4ヵ月間)。州政府給付期間を13週間延長。

    3. ギグワーカー/フリーランス:パンデミック対応一時救援プログラムを創設。期間は年末まで。コロナウィルスにより失職した者を対象。(「Topics2020年3月27日(2) Gig workersの失業保険」参照)

    4. 納税申告書:申告期限を7月15日まで延長。

    5. 学生ローン:雇い主が$5,250を限度に非課税で返済可能(「Topics2019年12月6日 学制ローン返済促進法案」参照)。

    6. 医療保険給付:民間保険会社が提供する保険プランに対して、COVID-19の治療、ワクチン、検査をすべて無料で給付するよう要請する。

  2. 小規模企業

    1. 緊急支給:$1万ドルを上限に、当面の資金繰り対策として支給する。

    2. 返済不要貸付:総額3,500億ドル。6月末までの雇用維持を条件に、1社あたり$1,000万ドルを融資する。そのうち、給与水準の維持、雇用の維持、債務返済に充てた分は返済不要。

    3. 中小企業庁融資の返済停止:既に中小企業庁融資を利用している小規模企業の返済を6ヵ月間停止。総額1,700億ドル。

  3. 大企業

    1. 航空会社:運航を継続するための資金提供。総額580億ドル。

    2. 自社株買いの禁止:本対策で受け取った資金で自社株買いすることを禁止する。

  4. 全企業対象の税額控除

    事業停止または雇用維持が困難になった企業が対象。従業員一人当たり報酬(給与、医療保険等)の50%分。ただし、1万ドルが上限。

  5. 公衆衛生(略)

  6. セーフティネット(生活保護)(略)

  7. 州政府・地方自治体支援:総額3,398億ドル

  8. 教育:連邦学生ローンの返済、利払いを9月30日まで延期。
※ 参考テーマ「政治・外交」、「解雇事情/失業対策」、「医療保険プラン」、「教育

3月27日(1) 失業保険申請爆増
Source :3.3 Million File For Unemployment Claims, Shattering Records (NPR)
3月16〜21日の週の失業保険申請件数が爆増した。先週の28万1,000件から、328万件3,000件と10倍以上の増加となった(「Topics2020年3月19日 失業保険申請が急増」参照)。
まるで絶壁が急に出現したかのようだ。しかも、この件数は、過去最高だという。
エコノミストの試算では、この増加数により、失業率は5.5%にまで上昇するとみられる。数か月後には13%にまでなるのではないかとの予測もある。これはリーマンショックの頃を大きく上回る。
※ 参考テーマ「労働市場

3月27日(2) Gig workersの失業保険
Source :Drivers Say Uber and Lyft Are Blocking Unemployment Pay (New York Times)
このような雇用環境の中で、Gig workersは最も影響を受ける職種の一つであろう。Uberドライバーであれば、利用客は急減し、所得は大幅に減少しているはずである。

CA州は、今年からUberドライバーを被用者と法的に位置付けた(「Topics2020年1月6日 CA州:AB5への抵抗」参照)。法解釈上、Uberドライバーは被用者であれば、失業保険給付は受け取れるはずである。

しかしながら、実際の給付申請窓口では、Uberドライバー達は無資格として扱われている。なぜなら、UberなどCA州AB5に抵抗している企業が、雇い主として提出しなければならない源泉徴収票(W2)と失業保険料を当局に提出していないからだ。実務窓口としては、そうした記録のない者について、保険給付額が決められず、給付することはできないという理屈になる。

被用者として位置付けられている以上、給付資格は持っているのであり、保険料は後からでも雇い主から徴収すればよいことになっている。実際、CA州労働長官は、具体的な案件について一つひとつ調査し、給付する努力をするとしている。

ここでGig workersに保険給付ができなければ、何のための州法AB5であったのかということになる。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

3月24日 Exchange中途加入
Source :Democrats want Trump to reopen enrollment nationwide (ModernHealthcare)
連邦議会民主党の一部の議員達は、各州で運営されているExchange保険の中途加入を認めるべきだと主張している。2020年の保険加入申し込みは、当然のことながら、昨年12月には締め切っている。

しかしながら、COVID-19の感染が全米に広がっている中で、無保険者は少々の症状があっても受診せず、感染を拡大してしまう危険があるためだ。実際、WA州では、4/1から電話で、4/8からオンラインで、再加入を受け付けることにしている。

また、Medicaidを拡充していない州でも、同じような懸念が持たれている。低所得の無保険者がなかなか受診しないケースが考えられるからだ(「Topics2019年12月24日 UT州:Medicaid拡充」参照)。

保険プランの中途加入は、難しい問題を孕んでいる。特に、今回のようにCOVID-19の感染が広まっていることが判ってからの再加入は、リスクの見通し、保険料の適正さなどが変わってくるからだ。当然、公的支出も伴うことになろう。

PPACAを壊してしまってからCOVID-19の感染が拡大したことになり、医療保険全体の屋台骨を揺るがしかねない事態になっている(「Topics2019年10月16日 PPACA攻撃の総括」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「無保険者対策/WA州