Source : | Facing Trump's pressure, the Fed cuts rates for the first time this year (NPR) |
9月17日、FRBは政策金利を4.00~4.25%に引き下げることを決定した。5回据え置き後の引き下げ決定であった(「Topics2025年7月31日 FRB 5回目の据え置き」参照)。FRBの景気認識は次の通り(FOMC statement)。"Recent indicators suggest that growth of economic activity moderated in the first half of the year. Job gains have slowed, and the unemployment rate has edged up but remains low. Inflation has moved up and remains somewhat elevated."また、FOMCメンバーの先行き見通しでは、2026年の物価見通しが上方修正となっている。トランプ関税に伴う物価上昇を見込んでいるのだろう。また、年末の政策金利については、あと2回分(0.5ppt)の引き下げを示唆している。今回の決定で、唯一反対票を投じたのは、Stephen I. Miran氏であった。同氏は、2日前の9月15日に指名承認されたばかりで、0.5%の引き下げを主張して反対した(NPR)。
※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | Health Insurance Coverage in the United States: 2024 (Census Bureau) |
9月9日、Census Bureauが2024年の保険加入状況に関する統計結果を公表した。ポイントは次の通り。2024年はまだバイデン政権下である。無保険者割合に影響が出てくるのは2025年からだ。
- 2024年の無保険者割合は8.0%と、昨年からわずかに上昇した(「Topics2024年9月12日(2) 2023年無保険者割合」参照)。企業保険プラン加入割合は横ばい。Medicaid加入者割合が、1.3%pt低下した。
- 結構、長い期間、8%程度で続いている。
- 年齢別では、若い層の無保険者割合が高まっている。
- 19~64歳の現役世代での無保険者割合が少し高まっている。中でも、Medicaid拡張をしていない州の低所得層の無保険者割合が顕著に高まっている。
※ 参考テーマ「無保険者割合/連邦レベル」、「無保険者割合/州レベル全般」
Sources : |
Missouri passes Trump-backed redistricting plan to help the GOP in the midterms (NPR) After Missouri, what state is next? A redistricting race started by Trump continues (NPR) |
9月12日、Missouri州(MO)議会は、選挙区見直しのための法案を可決した。州知事は署名をする見込みである。これで、TX州に続いて、中間選挙前に選挙区を見直したことになる(「Topics2025年8月24日 TX州 vs CA州」参照)。現在の連邦議会下院の議席数は、共和党6、民主党2だが、この見直しにより、共和党が7議席を確保する見通しとなっている。
今後、OH州での選挙区見直しは予定通りに行なわれる(「Topics2025年8月19日 選挙区見直し前倒し」参照)。また、CA州でも選挙区見直しを進めるかどうかの州民投票が行なわれる。ところが、それら以外にも、少なくとも7州で選挙区見直しの動きが行なわれる可能性があるという。これら全てで選挙区見直しが行なわれると、全部で11州で見直されることになる。これらの州における党派別議席数を見てみると、共和党優勢が7州、民主党優勢が4州と、共和党の方が、基本戦略に基づいて着々と見直しを進めているように見える(「Topics2025年9月10日(2) 選挙区見直し戦略の優劣」参照)。
※ 参考テーマ「政治/外交」
Source : | 1 big thing: The college edge (Axios) |
9月11日、GALLUP社が、大学教育の重要性に関する世論調査結果を公表した("Perceived Importance of College Hits New Low")。※ 参考テーマ「教 育」
- この15年間で、大学教育が重要であると考える人の割合は大きく落ちてきている。
- その傾向は、アメリカ社会のどこでも広がっている。
- 特に、共和党支持者の間でその傾向が強い。
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Data: Gallup. Chart: Axios Visuals - その理由として、AIの普及とホワイトカラーの重要性の低下、ブルーカラーの人手不足などが挙げられている。
- ただし、学歴別収入は、大卒の方が高卒よりもかなり高い水準にある。
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Data: Census Bureau. Chart: Axios Visuals
Source : | Consumer Price Index Summary (BLS) |
9月11日、BLSは8月の消費者物価指数(CPI-U)を公表した。前年同月比2.9%の上昇と、加速が続いている(「Topics2025年8月17日(1) CPI上昇続く」参照)。コアの伸び率は3.1%でこちらは横ばいとなった。足許については前月比でプラスの0.4%で、上昇基調が見えてきた。食料品価格は3.2%と水準の上昇が続いている。エネルギー価格は前年同月比0.2%となった。電気代は前年同期比で6.2%と、大幅上昇が続いている。住居費は前年同月比3.6%増と、上昇幅の縮小が続いている。サービス業の価格上昇率は3.6%と横ばい。7月の実質時給は、前月比0.1%減、前年同月比0.7%増となった(Real Earnings News Release)。※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | Projected COLA for 2026 Remains at 2.7%(SCL) |
9月11日、Senior Citizens Leagueは、2026年のCOLA予測(9月期)を公表した。予測値は2.7%となった(「Topics2025年5月16日(2) 2026年COLA予測が低下」参照)。
いよいよ、来月決定する(「Topics2022年10月17日 年金COLA計算法」参照)。
※ 参考テーマ「公的年金改革」
Source : | UNEMPLOYMENT INSURANCE WEEKLY CLAIMS (DOL News Release) |
9月11日、労働省は、9月6日の週の新規失業保険申請件数を公表した(「Topics2025年9月5日(1) 失業申請増勢を確認」参照)。やはり、労働市場の需給はだいぶ緩んできたようだ。。
- 週末が8月30日の週の新規失業保険申請件数:26.3万人。上昇トレンドではなく、急増といった様相である。
Federal Reserve Bank of St. Louis- 週末が8月9日の週の継続失業保険申請件数:193.9万人。こちらは横ばいが続いている。
Federal Reserve Bank of St. Louis
※ 参考テーマ「労働市場」
Sources : |
Health benefit cost increases expected to hit 15-year high, Mercer warns (HR Dive) Health benefit cost increases expected to hit 15-year high, Mercer warns (Segal) |
2026年の企業提供保険プランのコスト見通しが相次いで公表された。2026年は、無保険者の急増(「Topics2025年7月3日 HR1修正法案で無保険者拡大」参照)、Exchange保険料の急騰(「Topics2025年8月8日(3) 2026年Exchange保険料急騰(2)」参照)、企業提供保険プランのコスト増と、医療保険関係が国民的な課題となりそうだ。
- Mercer:従業員一人当たりの医療ベネフィットコストは、平均で6.5%上昇。これは2010年以降で最大の伸び率となる。これは、様々なコスト削減策を講じた後の数字であり、仮に何もしなければ、9%程度の伸びとなっていたと見られる。
- Segal:医療保険コストの伸び率は、中位数で約9%。
※ 参考テーマ「医療保険プラン」