9月30日 MA州FML拠出率引き下げ
Source :Massachusetts Paid Family and Medical Leave Update ? Contribution Rate Will Decrease Effective January 1, 2023 (Mintz)
2023年のMA州有給休暇拠出率は、賃金の0.63%となる(「Topics2014年11月9日 MA州:有給病気休暇法可決」参照)。これは2022年の0.68%から引き下げられたことになる。企業は、賃金からの天引きと企業拠出分に振り分けることが可能だ。

MA州では、これで2年連続の引き下げだそうだ。

※ 参考テーマ「FMLA

9月29日(1) 米社会の富の配分
Source :Trends in the Distribution of Family Wealth, 1989 to 2019 (CBO)
9月27日、CBOは、アメリカ社会の富の配分のトレンド(1989年~2019年)に関する分析を公表した。その中で、当websiteとしての関心事項は次の通り。
  1. 富は3倍ほどに拡大している。ただし、上位10%の占める割合は拡大し続け、2019年は72%も占めている。
  2. 中でも、上位1%への集中は強まっている。1989年27%から2019年34%に高まっている。上位2~10%は、1989年37%から2019年38%と、わずかに拡大したのみである。
  3. 退職年金プラン資産の占める割合が、徐々に高まっている。特にDCプランの割合が大きくなっていることが特徴的だ。
  4. 債務の割合を見ると、学生ローン債務と住宅ローン債務の大きさが、この30年間で逆転している。学生ローン債務の急拡大が見て取れる。
  5. 年代別の中位数の資産の推移を見ると、リーマンショックを経て、65歳以上と50~64歳で逆転している。
※ 参考テーマ「労働市場」、「DB/DCプラン」、「教 育

9月29日(2) 年金基金枯渇のインパクト
Source :Social Security: What Would Happen If the Trust Funds Ran Out? (CBO)
9月28日、CBOは、"Social Security: What Would Happen If the Trust Funds Ran Out?"と題するレポートを公表した。ポイントは次の通り。
  1. OASDI基金は、2035年に枯渇する。これは、アニュアルレポートと同じ(「Topics2022年6月3日(1) 年金/Medicare延命」参照)。
  2. 基金が枯渇した場合、法律改正がないと給付水準は現行の70%台央から80%に落ち込んでしまう。
  3. その際、所得代替率は、中位所得層で30%程度にしかならなくなる。
  4. こうした事態を回避するために税率を引き上げるとすると、現在の12.4%から15~17%に引き上げなければならない。
もう、本当に時間がないのである。

※ 参考テーマ「公的年金改革

9月28日(1) ベネフィットの実態
Source :Employee Benefits in the United States Summary (BLS)
9月22日、BLS2022年3月の従業員ベネフィットの実態調査結果を公表した。主なポイントは次の通り。
  1. 各ベネフィットとも、フルタイマーとパートタイマーの格差は歴然としている。そして、Childcareの提供が意外と少ない。
  2. 有給休暇については、低所得者層で普及率が低い。
  3. 有給休暇の受給権は、シニオリティがはっきりと出ている。
  4. 賃金が高くなるにつれ、退職年金プランの提供率が高くなるが、DBプランの方がより顕著である。
  5. 事実婚の場合の医療保険プランの提供割合は、同性、異性ともに50%を切っている。
※ 参考テーマ「ベネフィット」、「FMLA」、「DB/DCプラン」、「医療保険プラン」、「LGBTQ

9月28日(2) 学生ローン債務免除の費用推計
Source : Joe Biden's student loan forgiveness plan will cost $400 billion, budget office says (NPR)
9月26日、CBOは、学生ローン債務免除に関する費用推計を公表した(「Topics2022年8月25日 学生ローン返済免除」参照)。ポイントは次の通り。
  1. 学生ローン返済停止再延長(2022年9~12月)により、$20Bの費用増

  2. 学生ローン返済免除に伴う費用は、2022年6月30日時点の現在価値で約$430B。

  3. 同時点での、連邦学生ローン債務者は4,300万人で、債務残高は$1.6T。
※ 参考テーマ「教 育

9月28日(3) 下院初の議員スタッフ労組
Source :This congressional staff became the first in U.S. history to form a union (NPR)
9月26日、Congressional Workers Unionは、連邦議会下院初の議員スタッフ労働組合の結成が決まったことを公表した(「Topics2022年5月10日(3) 下院職員労組結成へ」参照)。

9月22日から23日にかけて、Rep.Andy Levin (D-Michigan)の議員スタッフが労組結成の可否を問う投票を行ない、全員賛成という結果となった。

今後、9月28日にRep. Ro Khanna (D-CA)、9月29日にRep.Ilhan Omar (D-Minnesota)の議員スタッフが同様の投票を行なう。

ここで当websiteとしては驚いた。当初のニュースを読んでいた時は、連邦議会下院の議員スタッフ、議会スタッフ全員で労組を結成するのかと思っていた。ところが、個別議員の議員スタッフのみで労組を結成するということがわかって驚いたのだ。これでは、バーゲニングパワーを期待することはできず、実効性は上がらないと思われる。

事実、Rep.Andy Levinは今回の中間選挙の予備選挙で敗退し、同議員のオフィスは2023年1月に閉じられてしまう。史上初の議員フタッフ労組は、あと3ヵ月足らずで消滅する。

※ 参考テーマ「労働組合

9月27日 CA ID for All
Sources : Gavin Newsom signs a law giving undocumented immigrants another way to get a California ID (Sacramento Bee)
California IDs For All(California Governor)
9月23日、CA州知事は、不法移民にCA州IDを賦与する法案(AB 1766)に署名した。

CA州では、2013年から不法移民に対して運転免許証を発行している(「Topics2013年9月16日 CA州:不法移民に運転免許証」参照)。これが事実上の州発行IDとなっている。しかし、運転できない不法移民、例えば資料に問題がある場合などは、この州IDは発給してもらえない。

そこで、今回の法案で、すべての不法移民にIDを発行("California IDs For All")しようというのだ。もちろん、全米で初の施行となる。以下、法案のポイントは次の通り。
  1. 発給開始は2027年

  2. 発行元はDMV。

  3. 発給対象者は約160万人。
これで、州内の不法移民no医療、教育、福祉へのアクセスが容易になることが期待されている。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

9月24日 MD州退職貯蓄プラン始動
Source :Maryland Officially Launches State-Run Retirement Program (PLANSPONSOR)
9月15日、MD州の州立退職貯蓄プランがついに始動した(「Topics2021年11月25日 MD州立プラン来夏始動」参照)。Maryland Small Business Retirement Savings Programに基づき設立されたMarylandSavesが運営する。

※ 参考テーマ「地方政府年金

9月22日 CalPERS:private equity引上げ
Source :CalPERS underperformed for a decade, investment chief says in pitch for more risk (CalPERS)
CalPERSは、もっと"private equity"に投資すべきと考えているそうだ。

まず、CalPERSの資産の現状を確認しておく。
  1. ここ10年間の資産時価総額と収益率。
  2. 最近10年間の平均収益率は8.5%。
  3. 資産配分の現状と指針。"Private equity"は8.3%
  4. 積立比率は70.6%。2040年に100%を達成するためには、平均年間収益率を6.8%に持っていかなければならない。
CalPERSの会議で、CIF(Chief Investment Officer)のNicole Musicco氏は、次のように述べた。 CalPERSは、昨年、private equityの割合を13%にまで引き上げるよう、投資部門に指示を出している。これをさらに引き上げるべく、数か月後には新たな投資指針案を決定する予定である。

Private equityは、関連する情報の開示が難しい。また、多分に推測が含まれているため、その推測が外れると、大きなゲインは見込めないという難点がある。

※ 参考テーマ「地方政府年金

9月21日 総人件費上昇続く
Source :Employer Costs for Employee Compensation Summary (BLS)
9月20日、2022年6月時点の時間当たり総人件費の推計が公表された。ポイントは次の通り。
  1. 時間当たり総人件費の平均は、$41.03/hとなった。そのうち、賃金は$28.31/h、ベネフィットは$12.72/h。2022年3月時点よりも若干上昇した(「Topics2022年6月17日(2) 総人件費の実態」参照)。
  2. 業種別格差は依然として大きい。
  3. ベネフィットの内訳は次の通り。
  4. 民間企業における総人件費の推移は次の通り。コロナパンデミック後、一貫して上昇が続いている。
    ※ 参考テーマ「労働市場