2月10日 女性参加率が改善しない
Source :Women's labor force participation still lagging (Axios)
労働市場参加率は、低水準ながらも徐々に回復しつつある(「Topics2022年2月6日 雇用増に勢い」参照)。これを男女別(20歳以上)でみると、女性の市場参加率が相変わらず低位にとどまっていることがわかる。男性が70.2%なのに対して、女性は58/1%となっている。
女性が労働市場に戻れない大きな理由の一つとして、学校や保育サービスがコロナ禍によって大きな影響を受けていることが挙げられている。学校、保育サービスが感染症拡大に伴い、閉園となったりスケジュールが変更されたりすると、母親が働きに出られない。また、学校、保育サービスが低賃金のために、労働市場がタイトになっている中で採用が進まない。

こうした状況を改善するため、保育士一人が見られる子供の数を増やしたらどうかとの議論があるが、子供の安全確保という観点から反対も多い。

しばらく今の状況は続くとみられる。

※ 参考テーマ「労働市場

2月9日 Starbucks労組活動家解雇
Source :Starbucks fires Memphis workers involved in unionization efforts. (New York Times)
2月8日、Starbucksは、Memphisの店舗従業員7名を解雇した。この7名は労組結成活動を行なっており、その一環でメディアのインタビューを受ける際、マスク着用、立ち入り禁止、店舗開閉等に関する規定に違反した、というのが解雇理由である。

この店舗の従業員は、既に選挙実施申請を行なっている(「Topics2021年2月2日(2) Starbucks15店舗が申請」参照)。Starbucks Workers Unitedは、労組結成活動に対する報復だとして非難している。

Starbucksは、対決姿勢を強めているようだ。

※ 参考テーマ「労働組合

2月8日(1) Amazon再投票開始
Source :Amazon workers in Alabama say they’re torn over historic union vote (Washington Post)
2月4日、Alabama州BessemerのAmazon集配所で、労組を結成するかどうかの再投票が始まった(「Topics2022年1月13日(1) Amazon(AL)労組結成投票日程」参照)投票は7週間行われ、集計は3月28日の予定である。

上記sourceによれば、労組結成派は今度こそはと意気込んでいる(「Topics2021年4月12日 Amazon労組反対」参照)。しかし、Bessemerの街の雰囲気は異なっている。 大卒が15%しかいない、年間家計収入の中位数が$32,000という小さな町で、とてもいい職場なのである。そうした認識が広がっている中で、従業員の意思により労組が結成された場合、どういう状況が生まれると考えられるのか。最悪の事態としてAmazonがBessemerから撤退となった場合、従業員とその他の住民との関係はどうなるのか。

極めて深刻な状況が予想される。

※ 参考テーマ「労働組合

2月8日(2) 労組支援TF報告第1弾
Source :White House offers blueprint for union growth as labor movement struggles to gain ground (Washington Post)
あたかもAmazonの労組結成を手助けするように、2月7日、White Houseのタスクフォースが労組結成を促す方策について中間報告をまとめた(Release)。これは、昨年4月の大統領令に基づくものだ(「Topics2021年5月30日 労組支援TFの影響範囲」参照)。

大きな分類では、次の3つの柱が示されている。
  1. 労組結成促進のために、連邦政府が理想的な行動を採る。

  2. 連邦政府の権限を利用して、労組結成促進に役立つ情報の提供、透明性の確保、労働者支援を行なう。

  3. 連邦政府の調達権限を利用して、労組結成を支援する。
提案されている手法のリストは3ページにもわたる。

バイデン政権は、労組支援の本気度を示そうとしているのだろうが、一般国民の目にはどのように映るのだろうか。

本タスクフォースは、6ヵ月以内に、これら手法の執行方法も含めて2度目の報告をまとめる予定とのことである。

※ 参考テーマ「労働組合

2月7日 NC州選挙区案却下判決
Source :North Carolina's Supreme Court strikes down redistricting maps that gave GOP an edge (NPR)
2月4日、North Carolina州(NC)の州最高裁は、州議会が定めた選挙区見直し案を却下する判決を下した。併せて、州議会に対して、2月18日までに代替案を示すとともに、その党派的公平性について説明するよう求めた。

NC州は、連邦議会下院議員の議席数が1つ増えて、14議席となる(「Topics2021年4月27日 センサス結果第1弾」参照)。現在は、13議席で共和党8、民主党5となっているが、専門家の分析によると、州議会が定めた選挙区案では共和党10、民主党4になると見込まれていた。

NC州がこのような状況に陥ったのは、州議会が上下院とも共和党が多数、州知事が民主党、州最高裁判事が民主党多数(4 vs 3)と、ねじれになっているからだ。

※ 参考テーマ「政治/外交

2月6日 雇用増に勢い
Source :In a big surprise, the job market surged in January even as omicron cases spiked (NPR)
2月4日、雇用統計が公表された(BLS)。1月の雇用増は46.7万人となった。11月、12月の雇用増が、それぞれ64.7万人、51.0万人と大きく上方修正され、増勢が継続している様相となった(「Topics2021年12月5日 感染拡大が雇用に冷水」参照)(「Topics2022年1月8日 労働市場参加意欲が低下」参照)。

サービスが大きく増加し、次いでレジャー、ホスピタリティが増加している。
失業率は4.0%と、わずかに上昇した。
大きな上昇修正を受けて、パンデミック発生以前に較べた雇用数の差は、290万減にまで回復した。
長期失業者(27週以上)の割合は25.9%と、大幅に低下した。
労働市場参加率も62.2%と若干上昇した。
一方、労働市場に参加していない人の中で仕事を得たいと考えている人数は減少が続いている。
※ 参考テーマ「労働市場

2月3日 Google有給休暇拡充
Source :Google expands PTO, sets minimum 20 days' vacation (HR Dive)
Googleは、従業員の有給休暇制度を拡充した。 注目は看護休暇である。Googleでは、"carer's leave"と呼称しており、上記sourceでも、わざわざ"a seriously ill loved one"と標記しており、親、子、親族などと特定していない。もっと言えば、ペットも含まれるのではないだろうか(「Topics2019年8月29日 ペット・ベネフィット」「Topics2021年6月25日 ペット保険の企業負担」参照)。

※ 参考テーマ「Flexible Work」、「ベネフィット

2月2日(1) 労働需給は一段と逼迫
Source :Job Openings and Labor Turnover Summary (BLS)
2月1日、BLSが、12月末の求人数を発表した。12月末の求人数は1,090万人となり、高水準のまま微増となった(「Topics2022年1月6日(1) 自発的失業が高水準に」参照)。

BLS
また、新規雇用数は626万人と減少した。

BLS
失業者数/求人数は、11月が下方修正されて0.6となり、12月は横ばいとなった。

BLS
12月の自発的失業(Quits)は434万人(P)と微減になった。しかしながら、その急増傾向は収まっていない。
Quits level, Total nonfarm - 2019~2021年

Quits level, Total nonfarm - 2007~2021年
※ 参考テーマ「労働市場

2月2日(2) Starbucks15店舗が申請
Source :Starbucks union push spreads to 54 stores in 19 states (NPR)
Starbucks従業員が労組結成の動きを加速化している(「Topics2022年1月9日(2) Starbucks労組結成活発化」参照)。上記sourceによれば、全米で19州の54店舗で、労組結成のための選挙実施を求めて活動している。そのうちの15店舗が、1月31日、NLRBに労組結成選挙実施の申請を行なった。 Starbucks本社にとって、もう個別店舗対応が難しくなっている。

※ 参考テーマ「労働組合

2月1日(1) WA州介護保険18ヵ月延期
Source :Gov. Inslee signs bills to delay, expand exemptions in WA Cares long-term care program (Seattle Times)
1月27日、Washington州知事は、WA州介護保険制度("WA Cares Fund")に関する2つの法案(H.B.1732 and 1733)に署名した(「Topics2021年12月24日(2) WA州介護保険に待った」参照)。ポイントは次の通り。
  1. 制度の施行を18ヵ月延期する(「Topics2021年7月13日 WA州介護保険」参照)。

    1. 保険料徴収の再開:2023年7月。既に支払された分は、120日以内に返金する。

    2. 介護サービスの給付:2026年7月~。

  2. Washington州に勤務しながら他の州に居住している者(約15万人)については、永久不適用を選択できるようにする。これは、保険料を負担しながら介護サービス給付が受けられない事態を回避するため。

  3. 引退が近い労働者(約47.7万人)については、保険料の支払い期間に応じて部分的な給付を受けられるようにする。
企業、労組は、この施行延期を歓迎している。

※ 参考テーマ「公的介護保険

2月1日(2) CA州単一保険頓挫
Source :Single-payer healthcare proposal fizzles in California Assembly (Los Angeles Times)
1月31日、CA州単一保険制度を創設するための法案(AB 1400)審議が頓挫した。$163Bもの規模にのぼる新税への反対が強かった。共和党、企業は最初から反対していたが、民主党議員が圧倒的多数を占める州議会下院でも理解を得られなかった。

CA州で単一保険制度の提案(法案)が頓挫したのは、これで2回目となる(「Topics2017年5月28日 CA州単一保険の財源」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/CA州