6月9日 Gender用語
Source :A Guide To Gender Identity Terms (NPR)
6月は"Pride Month"。

ということで、上記sourceは、現代のgenderに関連する用語、代名詞の適切な使用方法について説明している。

西欧の言語は男女の区別に厳格だ。よって、代名詞の使用方法が重要な意味を持つ(「Topics2021年6月4日 トランスジェンダーの小学生」参照)。

※ 参考テーマ「LGBTQ」、「人口/結婚/家庭/生活

6月8日 Voluntary Benefits
Source :Pandemic accelerates employer voluntary benefit offerings, Willis Towers Watson survey finds (Willis Towers Watson)
"Voluntary Benefits"という耳慣れない用語が出てきた。上記sourceでは、"employee-pay-all or unsubsidized benefits"と紹介されている。費用は従業員が負担し、企業は制度枠組みを作る、またはサービスを紹介するだけ、ということなのだろう。

調査対象となった企業の94%が、今後3年後に人事戦略上重要な役割を果たすことになるとみている。2018年の同調査では36%しかなかったことから、その注目度の上昇ぶりがわかる。

今後最も伸びるとみられているサービスのトップ5は次の通り。
The top five fastest growing benefits
Voluntary benefit Currently offered Will offer by 2022 or beyond Percentage point change
Identity theft 53% 78% +25%
Hospital indemnity 42% 65% +23%
Pet insurance 47% 69% +22%
Critical illness 57% 76% +19%
Group legal 58% 75% +17%
"Identity theft"、"Group legal"あたりはアメリカ社会らしい。また、ペット保険は、当websiteで紹介したことがある(「Topics2019年8月29日 ペット・ベネフィット」参照)。

また、既に広く普及しつつあるプログラムとして、次のようなサービスが挙げられている。
  • Financial planning/counseling through an existing vendor (93%)
  • Tuition reimbursement programs (88%)
  • Telephonic financial planning/counseling (77%)
  • Onsite fitness center (54%)
  • Backup childcare (48%)
  • Elder care (44%)
ベネフィット政策の多様化がどんどん進んでいる。

※ 参考テーマ「ベネフィット

6月6日 職場のワクチン接種要請(3)
Source :FP Flash Survey Reveals That Most Employers Continue to Refrain From Mandating COVID-19 Vaccine But Vast Majority Encouraging It (Fisher Phillips)
企業は従業員に対するワクチン接種要請に積極的に動いていない(「Topics2021年6月3日 職場のワクチン接種要請(2)」参照)。その状況を反映したアンケート調査結果(5月14~19日に実施)がみつかった。

ポイントは次の通り。
  1. 従業員に対してワクチン接種を義務付けない、または義務付けることを検討をしない企業:83%(1月:64%)

  2. 従業員に対してワクチン接種を義務付ける、または義務付けることを検討している企業:4%(1月:10%)

  3. 従業員に対してワクチン接種を推奨する企業:75%(1月:78%)

  4. 従業員に対してワクチン接種を推奨することに関心を持っていない企業:18%(1月:9%)

  5. ワクチン接種の義務付けは法律違反になると考える企業:32%

  6. ワクチン接種を望む従業員は既にワクチン接種を終えていると考える企業:54%
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

6月5日 労働参加率が戻らない
Source :Hiring Picked Up Last Month, But The Economy Still Needs More Workers (NPR)
5月の雇用増は、55.9万人となった。4月よりは多かったが、市場の期待を大幅に下回った(「Topics2021年5月9日 労働市場回復遅れ」参照)。
ワクチン接種の広がりを反映して、バー/レストラン、娯楽施設などが雇用を増加させた(「Topics2021年6月3日 職場のワクチン接種要請(2)」参照)。
一方、失業率は5.8%と、4月から0.3%ポイント低下した。
その中で、長期失業者(27週間以上)は依然高水準にあるものの、若干低下してきている。
また、新規失業保険申請件数は38.5万件と、初めて30万件台に低下した。
こうして労働市場の改善は見えてきたものの、昨年のパンデミック発生時の雇用減のうち、回復したのは約2/3にとどまり、依然として760万の雇用が回復していない。
また、労働参加率も回復が遅れている。
上記sourceでは、労働市場への再参加が遅れている理由として、次の3点を挙げている。
  1. 依然としてコロナ感染リスクが高いと感じている。

  2. 学校が一部しか再開しておらず、子育てに手間がかかる。(「Topics2021年5月29日 働く母親への支援」参照)

  3. 充分な失業給付が得られる。(「Topics2021年5月26日 失業給付上乗せ停止を検討」参照)
ただし、女性が労働市場に再参加するかどうかの判断は、こうした一般的に指摘されているようなものばかりではないようだ。一度労働市場を離れた後、住む場所を変えたり、生活スタイルを変えたり、職種を変えようとしてみたり・・・(NPR)。見方を変えれば、女性は柔軟な生き方ができるということかもしれない。

※ 参考テーマ「労働市場

6月4日 トランスジェンダーの小学生
Source :A Virginia Teacher Was Put On Leave After Opposing New Rights For Trans Students (NPR)
VA州小学校におけるトランスジェンダーの扱いを巡って訴訟が起こされた。

VA州Loudoun Countyは、VA州政府が示したガイドラインにそって、トランスジェンダーの小学生の扱いについて変更を提案(draft policy 8040)している。そのポイントは次の通り。
  1. トランスジェンダーの学生は、法律上の名前とは別の名前と代名詞(pronoun)を使うことができる。

  2. 同じく学生が求めた場合には、学校教職員はその名前と代名詞を使わなければならない。

  3. 学生の性自認に従ってスポーツに参加することができる。
この提案変更に関する公開会合(5月25日開催)でことは起こった。
  1. 小学校の体育教師は、「子どもたちを愛しているは、その前にまず自分は神に仕えている。男の子として生まれた子を女のことは呼べない。それは子どもたちに嘘をつくことになる。同時に、神に対する罪である。」

  2. その2日後、Loudoun County教育委員会は、この教師を有給停職処分とした。

  3. 6月1日、この教師は、Loudoun County教育委員会を州裁判所に訴えた。「停職処分は言論と宗教の自由を侵している。」
他方、Idaho州、Florida州、Tennessee州では、トランスジェンダーのスポーツ選手が自らの性自認に従ってスポーツに参加することを制限する州法を成立させている。

LGBTQに関する課題が、同性婚という局所から社会生活全般に広がっている一例である。

※ 参考テーマ「LGBTQ」、「人口/結婚/家庭/生活

6月3日 職場のワクチン接種要請(2)
Source :E.E.O.C. Says Companies Can Mandate Vaccines, but Few Push Ahead (New York Times)
5月28日にEEOCは、企業が従業員に対してワクチン接種を求めることを認める文書を公表した(「Topics2021年6月1日 職場のワクチン接種要請」参照)。ところが、実際にワクチン接種を要請する企業はほとんどなく、依然として職場の安全性確保に関する内部議論を行なっている段階だそうだ。

ワクチン接種要請が広がらない理由として、上記sourceは次の3点を挙げている。
  1. 現在供給されているワクチンは、緊急使用許可を得ているだけで、FDAの全面認証を得ている訳ではない。つまり、完全に安全であるとの保証がない。

  2. ワクチン供給の地域的偏りが大きい。

  3. ワクチン接種要請を行う際に考慮すべき要件(EEOCが提示)の数が膨大である。
加えて、国民の間にワクチン接種に対する忌避感が根強いことが挙げられる。Kaiser Family Foundationの定点観測(5月28日公表)によれば、既に接種した人の割合が6割を超えている中で、「絶対に打たない(Definitly not)」との回答が3ヵ月連続で13%を占めている。一方、「求められれば打つ(Only if required)」との回答は7%しかなく、企業が従業員に接種要請したとしても、その効果は限られている。(「Topics2021年4月14日 党派別ワクチン選好」参照)
これでは、企業によるワクチン接種要請は効果が小さくリスクが高いと受け止められても仕方あるまい。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制」、「人口/結婚/家庭/生活

6月2日 2022年度予算提案
Sources : Biden Proposes A Huge Hike In Government Spending In A $6 Trillion Budget (NPR)
An Overview of the President's FY 2022 Budget (CRFB)
5月28日、バイデン大統領が2022年度予算の提案を行なった。The White Houseの提案は、いつもの通りここに掲載されている。

ポイントは次の表の通り。
アメリカン・ジョブ・プランもアメリカン・ファミリー・プランもしっかり盛り込まれている。

ついでにいえば、法人税増税、富裕層増税も盛り込まれている。それでも課題として残るのが債務残高の急増だ。
今後は、連邦議会に議論の場が移る。

※ 参考テーマ「一般教書演説

6月1日 職場のワクチン接種要請
Sources : EEOC greenlights coronavirus vaccine requirements, incentives - with some limits (HR Dive)
Employers Can (Mostly) Require Vaccines For Workers Returning To The Office (NPR)
EEOCは、5月28日、企業が従業員に対してワクチン接種を求めることを認める指針を公表した。ポイントは次の2点。
  1. 物理的に職場に入ってくる全従業員に対して、ワクチン接種を求めることを認める。従業員は、基礎疾患や病歴、宗教上の理由により、免除を求めることができる。

  2. ワクチン接種証明書の提示を促すインセンティブを提供することを認める。証明書は、企業とは無関係な第三者機関のものに限る。
これで、ワクチン接種は個人の意向に基づく任意のもの、という前提は大きく崩れることになる。こうした立場を守るために、州議会等では企業にワクチン接種を強制することを禁じる法案が検討されている。その中で、Montana州は同趣旨の法案を4月に可決した。また、同州知事は、同じく4月に「ワクチンパスポート」の利用を禁じる州知事令を発した。

アメリカはワクチン接種に対する反発の大きな国だから、こうした議論が活発になるのだろう。しかし、おそらく外国人に対しては、接種証明を求めてくるのだろう。この辺の辻褄はどうやって合わせているのだろうか。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制