5月9日 労働市場回復遅れ
Sources : Spring Letdown: Hiring Slows In April, Raising New Challenges For Economy (NPR)
Republican Governors Are Now Cutting Off Unemployment Benefits to Force People Back to Work (Slate)
4月の雇用者数は26.6万人となり、今年に入って最も少ない増加数となった。
サービス提供、レジャー・観光が大きな伸びを示した。
失業率は、0.1%ポイント上昇し、6.1%となった。
その中で、長期失業者(27週間以上)の割合が急速に高まっている。
また、新規失業保険申請件数は、初めて50万人を割って49.8万人(5月1日の週)となったが、漸減の流れは変わらない(「Topics2021年4月23日 新規失業漸減」参照)。
景気回復感が強まる中で、労働市場の回復は大きな動きを見せていない。労働参加率は3月に較べて0.2%上昇の61.7%にとどまる。
また、雇用者数の回復も程遠く、パンデミック以前(2020年2月)に較べて820万人少ない状況だ。
こうした労働市場回復の遅れの要因として、手厚い給付金と失業給付が指摘されている(「Topics2021年3月8日 コロナ経済対策法案上院修正可決」参照)。そうした考え方に基づいて、失業給付の上乗せ措置($300/w)を止める動きが出ている。 失業給付上乗せ措置は、連邦政府の財源で実施されているものの、州に参加不参加の決定権限がある。このため、州知事がこうした動きに出ているのである。ちなみに、両州知事とも共和党である。

※ 参考テーマ「労働市場」、「解雇事情/失業対策

5月7日(1) 医療市場介入に賛成
Source :1 in 6 U.S. Workers Stay in Unwanted Job for Health Benefits (GALLUP)
上記sourceでは、アメリカの労働者のうち医療保険を失うことを恐れて望まない仕事を継続している割合が1/6に達している、と伝えている。これはこれで結構高い数字だし、逆に企業側から見れば、医療保険の提供が従業員を引き留める効果が一定程度見込まれることを示している。

当websiteとしては、このことよりも、後半部分に関心を持った。

アメリカ人労働者の過半は、今後の医療費の増加を懸念しており、これを回避するためには、処方薬価格の上昇抑制、入院費の上限設定、窓口負担の上限設定などの市場介入措置について、7割以上の人々が賛成している。これを党派別にみると、共和党支持者であっても6割程度が賛成している。

もしもこれが本当の姿なのであれば、共和党は、トランプ政権時代に唱えていたPPACA縮小策を見直さなければいけない。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「医療保険プラン」、「医薬品

5月7日(2) 独立契約者定義取り下げ
Source :Labor Department withdraws independent contractor rule (HR Dive)
5月6日、労働省は、独立契約者の定義を正式に取り下げた。これは、3月の同省の提案を実現したものである(「Topics2021年3月15日 独立契約者・共同経営者の定義変更」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制