8月20日 Uber/LyftのプランB
Source :Uber and Lyft Consider Franchise-Like Model in California (New York Times)
裁判、州民投票で負けた場合に備えて、Uber/Lyftが次善策を検討している(「Topics2020年8月15日 Uberの戦略」参照)。
  1. 配車を行なう企業を設立し、Uber/Lyft社のアプリを利用するフランチャイズ契約を結ぶ。ドライバーは、あくまで個人事業主として配車企業と契約する。こうすることで、Uber/Lyftとドライバーの間に雇用関係はなくなる。ドイツ、スペインでは、両者はこうした形式を既に義務付けられている。

  2. アプリを変更し、料金設定に関するドライバーの裁量を拡大する。
上記1.では、CA州AB5の下でやはり雇用関係があると見做される可能性は残る。両社にとってコスト増は避けられない。しかも、既に両社が市場を破壊してしまったために、既存の配車サービス企業は小規模のものしか残っておらず、受け皿となる企業は見当たらない。

上記2.では、利用者にとって不確定要素が高まり、利便性が落ちる。トラブルも増えるだろう。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

8月18日 NH/PA州:再保険制度導入
Source :Health insurers in PA and NH may see lower ACA individual plan premiums thanks to new reinsurance OK (PwC)
上記sourceによると、New Hampshire州(NH)とPennsylvania州(PA)は、州ベースの再保険制度(個人保険プラン)を導入することをCMSから承認を受けた。主な内容は、次の表の通り。
New Hampshire州Pennsylvania州
施行日2021年1月1日2021年1月1日
終了日2025年12月31日2025年12月31日
保険会社への償還額医療費6万ドル~40万ドルの74%医療費6万ドル~10万ドルの60%
保険料軽減率(予想)16%5%
州ベースの再保険制度の導入は、PPACAのSection 1332に基づいて認められる。これまで、このSection 1332に基づく例外措置は全部で13州が獲得しているが、そのうち州ベース再保険制度導入を認められているのは12州。残る1州(ハワイ州)は、小規模企業のExchnage加入に関わるもので、再保険制度に関するものではない。従って、NH州、PA州は、再保険制度としては13番目、14番目の州ということになる。

Kaiser Family Foundation
※ 参考テーマ「無保険者対策/NH州」、「無保険者対策/PA州

8月15日 Uberの戦略
Source :Uber CEO says its service will probably shut down temporarily in California if it's forced to classify drivers as employees (CNBC)
Uberは、今月、CA州裁判所から、ドライバーを従業員として位置付けるよう判決を受けた(「Topics2020年8月12日 CA州判決:Uberドライバーは従業員」参照)。これを受けて、Uber CEOは次のような戦略を立てている。
  1. 先ずは控訴裁判所に上告する。

  2. 控訴裁判所で敗訴したら、11月までUberのサービス提供を中止する。

  3. 11月の州民投票で、Uberドライバーを従業員として認定しない例外措置の是非を問う(Proposition 22)。

  4. その後の対応策として、次の諸点を検討しておく。
    • CA州内都市部にサービス提供を限定する。
    • 就業時間に応じて有給休暇、医療保険を提供する。
※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

8月14日 新規失業:初の100万件割れ
Source :New Jobless Claims Dip Below 1 Million For 1st Time Since March (NPR)
8月13日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は96.3万人と、22.8万人の減少となった。3月半ばの大規模申請が始まって以来、初めて100万人を切った。また、2週連続で減少幅が20万人を上回った。21週間で累計5,629万人となる(新規失業保険申請件数data)。

雇用保険被保険者の中の失業者数も1,549万人と、60.4万人の減少となった。
また、COVID-19対策で導入された追加失業給付(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)の新規申請数は、
5/30: 79.9万人
6/ 6: 70.0万人
6/13: 77.4万人
6/20: 88.1万人
6/27: 99.7万人
7/ 4:104.6万人
7/11: 95.5万人
7/18: 96.0万人
7/25: 90.9万人
8/ 1: 65.6万人
8/ 8: 48.9万人
と、減少が続いている。

一方、COVID-19感染は一旦、ピークアウトしたようだ。

Johns Hopkins University Health
手が付けられない状況に陥ってしまった州は19州と、先週から13州減少し、少し落ち着きを取り戻したようだ(「Topics2020年8月7日 経済悪化はこれから本格化」参照)。

COVID Exit Strategy
7月末に失効した連邦追加失業給付だが、トランプ大統領令により週$300で継続となったが、実際に支払われるのにはしばらく時間がかかるそうだ。

※ 参考テーマ「労働市場」、「解雇事情/失業対策

8月12日 CA州判決:Uberドライバーは従業員
Source :California Judge Orders Uber And Lyft To Consider All Drivers Employees (NPR)
8月10日、CA州裁判所は、Uber/Lyft社に対して、AB5に従い、ドライバー全員を従業員と見做すよう、判決を下した(「Topics2020年5月6日 CA州 Uber/Lyftを提訴」参照)。判決の執行は10日後となるが、両社は上告する見込みだ。

Uber/Lyft社包囲網は、また一段狭まった(「Topics2020年7月30日 Uber/Lyft包囲網」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

8月11日 雇用情勢一時改善
Source :Long Road To Recovery: Hiring Slows In July, As U.S. Employers Add 1.8 Million Jobs (NPR)
8月7日に公表された雇用統計では、180万人の雇用者増、失業率は10.2%への低下となった。
これらの数字は、7月半ばまでの状況を反映したものである。失業保険新規申請数やCOVID-19感染症拡大は7月半ばから8月にかけて悪化しており、このまま雇用情勢が改善していくわけではない。

※ 参考テーマ「労働市場