6月20日 不法移民強制退去
Source :Trump Threatens To Deport 'Millions,' As He Kicks Off Campaign For Reelection (NPR)
6月18日、2020年秋の大統領選挙に向けて、トランプ大統領が立候補表明を行った。その選挙キャンペーンの冒頭、大統領より『来週から100万人単位で不法移民の強制退去を実施する』とのメッセージが発せられた。

詳細な具体策は明らかになっていないが、上記sourceによると、"runaway aliens"が念頭にあるのではないか、と言われている。"Runaway aliens"とは、入国時に偽の亡命申請をしておきながら、裁判所に出廷せず、退去を命ぜられた外国人のことを指している。それがおよそ100万人以上いると推定されている。

従って、この推察通りであれば、水際での課題であり、アメリカ国内に長く在住している不法移民の話ではなくなる。しかしながら、"runaway aliens"だけを特定して拘束し、強制退去にすることは実務的に難しいこともまた事実である。

トランプ大統領は具体策を示さずに不法移民の強制退去を訴え、それに賞賛を送る大統領支持者と恐怖を覚える不法移民との間の溝は深まるばかりだ。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者」、「大統領選(2020年)

6月19日 HRA規制緩和
Source :Final Rules Ease Restrictions on Health Reimbursement Arrangements (Mercer)
6月3日、トランプ政権は、HRA規制緩和策を公表した。具体的には、 の2つのタイプのHRAを認めることで、従業員の保険加入の選択肢を増やそうとするものである。HSAsへの影響はない。

施行日は2020年1月1日となっている。

※ 参考テーマ「HSA

6月18日 CA州:Uber運転手を従業員に
Source :Uber and Lyft Leaders Speak Out Against California Contractor Bill (SHRM)
CA州議会では、gig workersが独立した請負業者なのか、企業の従業員なのかを明確にする法案が審議されている。法案名は"Worker status: employees and independent contractors"(AB5)で、5月29日に下院で可決され、現在は上院で審議中である。

CA州最高裁は、昨年の4月30日、『独立した請負業者であることを示す3つの要件をすべて企業側が立証しなければならない』との判決を下した。現在審議中のAB5法案は、この判決を立法化しようとするものである。昨年、CA州最高裁が示した独立請負業者の3つの要件とは、次の通り。 これには、UberLyftの経営者が共同で反対声明を公表している。運転手たちが従業員と見做されれば、大きな追加費用が発生するからだ(「Topics2016年8月5日 Gig economyと社会保障」参照)。

CA州では、州知事、州議会上下両院とも民主党が握っており、おそらく同法案は成立するだろう。CA州は、連邦政府の方向性とは真逆に動こうとしている(「Topics2019年5月3日 Gig workersは独立請負業者」「Topics2019年5月20日 Uber労組不可 」参照)。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

6月12日 公的年金財政への危機感
Source :Four Lessons from the Latest Social Security Trustees’Report (Economics 21)
上記sourceの著者は、公的年金財政の危機を回避するための対策を打つには既に遅きに失しているとの認識のもと、財政危機の重大さをもっと国民に判ってもらうための指標が必要だと主張している(「Topics2019年4月25日 年金/Medicareの余命」参照)。
  1. 今後75年間にわたって、給付額を17%削減しなければならない。
  2. さもなければ、Social Security Taxを現在の12.4%から15.1%に引き上げなければならない(22%増)。課税対象額の上限額を撤廃すればいいとの主張があるが、全廃したとしても不足分の半分も賄えない。
2034年は、政治家の視野には入ってこないのだろう。

※ 参考テーマ「公的年金改革

6月11日 CA州:不法移民若者にMedicaid
Sources : California OKs healthcare for some adult immigrants (Modern Healthcare)
California's Budget Proposal Would Expand Health Care To Some Undocumented Immigrants (NPR)
先に、州政府レベルでのACA防衛策を紹介したが、CA州でもその動きが現実のものとなっている(「Topics2019年6月5日 州のACA防衛策」参照)。

CA州議会民主党は、6月9日、$213Bにのぼる州政府予算案について合意した。その中には、ACA防衛策が種々含まれている。中でも特徴的なのは、若い不法移民にもMedi-Cal(CA州のMedicaid)への加入を認めることと、中堅所得層にも保険料補助金を提供することである。 州知事が署名し、法案が成立すれば、加入手続きは今年秋から始まり、来年1月1日に施行となる。

※ 参考テーマ「無保険者対策/CA州