Source : | Labor Department drops Biden-era ESG fiduciary rule (DOL) |
ESG投資を巡る受託者責任を問う裁判で、労働省(DOL)が係争から降りることを、裁判所に伝えた(「Topics2023年2月13日(2) 25州が労働省ESG投資を訴え」参照)。トランプ大統領就任時の大統領令に即した行動である(「Topics2025年2月18日 受託者責任とESG投資」参照)。
同時に、DOLは、新たな規則作りのプロセスを開始するとしている。
政権が代わるたびに受託者責任のルールが変わるようでは、安定した長期投資は望めない。
※ 参考テーマ「受託者責任」
Source : | American doctors look to relocate to Canada to avoid the Trump administration (NPR) |
トランプ第2次政権が成立した後、アメリカ人医師がカナダに移住するケースが急増している。ご存じの通り、アメリカとカナダでは医療制度がまったく異なる(「Topics2007年11月19日 医療保険制度と社会の価値観」、「Topics2008年1月18日(2) カナダの医療保険制度」、「Topics2017年5月30日 カナダ医療保険の出自」参照)。その違いを乗り越えて移住しようというのだから、相当の覚悟が必要だろう。上記sourceでは、トランプ政権に嫌気がさしたという理由が多いが、その他にも、アメリカの商業主義的な医療が嫌だとか、カナダの医師不足が深刻なことも挙げられている。カナダ各州が、アメリカ人医師の免許申請に関する規制を緩和したことも大きいようである。
- Physiciansapply.caにおけるアメリカ人医師登録数が急増。
カナダで医師として働くための免許を取得するために、最初に行なう第一歩がこのサイトへの登録とされている。過去7ヵ月間のアメリカ人医師の登録数は615人。前年同期は71人で、前年同期比766%増となっている。
- カナダの医師免許登録当局の発表では、アメリカ人医師の申請、取得が急増しており、彼らのうちの一部は、トランプ大統領を移住の理由に挙げている。
- CanAm Physician Recruitingは、カナダに移住したい医師のリクルートを行なっている。同社によると、1~4月の間にカナダでの就職を求めてきたアメリカ人医師数は、前年同期比で65%増加した。また、毎日最大15人のアメリカ人から照会を受けている。
- College of Physicians and Surgeons of Ontario(オンタリオ州)では、2025年第1四半期で、アメリカで教育を受けた医師の登録数は116人、前年同期比で50%超の増加となった。
- College of Physicians and Surgeons of British Columbia(British Columbia州)では、今年2月までの年度で28人が登録した。これは前年度比で3倍にあたる。
- College of Physicians said applications of Quebec(Quebec州)では、アメリカで教育を受けた医師による申請が増えていると同時に、アメリカにいたカナダ人医師が戻ってきているという。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「カナダ事情」
Source : | The CFPB wanted medical debt to be left off credit reports. That's changed under Trump (NPR) |
前政権下の1月7日、Consumer Financial Protection Bureau(CFPB)は、Credit reportsから医療債務を完全に除去する新規則を公表した(「Topics2025年1月9日(1) 医療債務除外ルール公表」参照)。この新規則により、1,500万人の医療債務$49Bが除去される見込みであった。発効は、正式公表から60日後となっていた。
ところが、この新規則の発効を停止するよう求める訴訟が起こされた。提訴したのは、Consumer Data Industry Association(CDIA)とCornerstone Credit Union Leagueである。彼らは、と主張している。
- この新規則はCFPBの権限を超えている
- 連邦議会のみが決定できる
- Credit reports制度の信頼性を確保するためには、新規則を廃止すべき
4月30日、この原告団に、何とCFPBが参加したのである。自分が定めた(といってもバイデン政権だが)新規則を停止するよう求める原告団に参加したのである。もちろん、原告団は大歓迎だ(CDIA Press Release)。
一方、3大信用調査会社は、既に新規則を適用し、ほとんどの医療債務を削除している。また、CA州、NY州、CO州においては、既に一定の医療債務は信用レポートに含めることが禁じられている。
訴訟を受けたTX州連邦地裁は、これまで2回の施行一時停止命令を出しており、6月11日までに最終判決を示す見込みである。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」
Source : | Medicaid cuts could disrupt Lyft and Uber's healthcare plans (Modern Healthcare) |
H.R.1 - One Big Beautiful Bill Actが成立し、Medicaid加入者が大幅に減少した場合、Uber/Lyftが大きな打撃を受けるかもしれない(「Topics2025年5月23日 Big Beautiful法案下院可決」参照)。ポイントは次の通り。※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」
- Uber/Lyftは、non-emergency transportation services(NEMT)を提供している。Uber Healthは2018年から、Lyft Healthcareは2016年からサービスを提供している。
- Medicaid加入者でNEMTを利用した人数は、2018~2021年の間で400万人に達する。
- 28州のMedicaidで、NEMTは保険カバーされている。その加入者割合は78%を占める。
- Medicaid加入者が大幅に減少すれば、同サービスの利用数も大きく減少すると見られる。
Source : | Labor market could face a ‘white-collar recession,’ report finds (HR Dive) |
労働市場全体では需給は落ち着いているものの、求職者が圧倒的に多い市場と、優秀な人材が強く求められている市場に二分されているという。中でも、事務職に関する求人数は年々減少し続けていて、『ホワイトカラー就職難』とも呼ばれている。企業側が、採用プロセスを見直したり、職務ベースの採用を優先したり、職務定義を明確にしたりして、採用数を絞っているからだ。
こうした状況の中、大学を卒業して就職活動に臨んでいる若年者層には、悲壮感、諦めの気分が広がっているという。
※ 参考テーマ「労働市場」
Source : | Millions of Americans hit with bad credit after missed student loan payments (Washington Post) |
アメリカ国民の信用スコアが低下している(FICO Score)。全体を引き下げる要因となっているのが、学生ローン滞納者の急増である。その中でも、南部の州で急増していることが目立つ。
Change in Household Debt Balances Mixed; Student Loan Delinquencies Rise Sharply(Federal Reserve Bank of New York)学生ローン滞納者は、今後も急増が続くとみられる(「Topics2025年4月23日(1) 債務不履行ローン回収開始」参照)。
Student Loan Delinquencies Are Back, and Credit Scores Take a Tumble(Federal Reserve Bank of New York)
※ 参考テーマ「教 育」、「人口/結婚/家庭/生活」
Source : | Here's what's in the GOP megabill that's just passed the House (NPR) |
5月22日、連邦議会下院は、歳出フレーム法案(H.R.1 - One Big Beautiful Bill Act)を可決した。投票結果は215 vs 214の1票差であった(ROLL CALL 145)。共和党議員の反対票は2票であった。トランプ大統領は、連邦議会上院に対して、できる限り早急に可決し、自分のところに上程するよう求めた。
以下、当websiteの関心事項。※ 参考テーマ「公的年金改革」、「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」、「人事政策/労働法制」、「教育」、「人口/結婚/家庭/生活」
- 2017年のトランプ減税の継続
- 新規減税策
- 2026~2028年の間、残業代に対する課税はしない。
- 自動車ローン利払いの所得控除を認める。ただし、アメリカ産の自動車の場合に限る。
- Social Security Numberを有する者に限り、2028年までの間、child tax creditを$2,500に引き上げる(現行$2,000)(「Topics2024年1月5日 州EITC/CTCの広がり」参照)。その後は一度$2,000に戻した後、物価スライド制とする。ここでも不法移民は排除される。
- 65歳以上の者に関しては、公的年金給付に課税しないことに加え、$4,000の所得控除(所得に応じて減額)を認める。
- SALT(State and Local tax deduction)の拡大
州税・地方自治体税負担の所得控除上限額を、$10,000から$40,000に引き上げる。対象は、夫婦所得が50万ドル以下。これは、CA州、NY州など州税負担の高い民主党優勢の州で、共和党に有利に働く。
- Medicaid
- Medicaidに就業義務規定を導入する。2026年末から導入し、月80時間の就業を加入資格とする(「Topics2025年5月16日(1) Medicaidに大なた」参照)。
- 所得と住居の確認を年1回から半年に1回に変更する。
- ビザ申請手数料
- 亡命手続き:$1,000
- 就労ビザ:半年毎に$550
- 学生ローン制度
- 総額$330Bの削減
- SAVEプランの廃止(「Topics2024年2月22日(2) SAVE Plan債務免除開始」参照)
- 新たな返済援助制度("Repayment Assistance Plan")を創設
Source : | Health Provisions in the 2025 Federal Budget Reconciliation Bill (KFF) |
歳出フレームの議論の中で、Medicaidの歳出削減に注目が集まっているが、HSAについても制度変更案が議論されているらしい。上記sourceは、その議論の行方を追うサイトである。
※ 参考テーマ「HSA」
Source : | New studies show what's at stake if Medicaid is scaled back (NPR) |
Medicaid削減に関する研究レポートが、2つ公表された。 それらのレポートの要点を、別の研究者がこう評している。"What we're learning is that restricting access to Medicaid might save us money, but that comes at a tremendous cost. And that cost is human lives."人の命に関わる問題だ、と指摘しているのである。
※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル」、「無保険者対策/州レベル全般」