7月10日 追加失業給付の増加
Source :'Devastated': As Layoffs Keep Coming, Hopes Fade That Jobs Will Return Quickly (NPR)
7月9日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は131.4万人と、微減が続いている。16週間で累計4,998万人となる(新規失業保険申請件数data)。下の図を見るとわかる通り、微減が続いているために、4週間移動平均とほぼ同じになってきた。

一方、雇用保険被保険者の中の失業者数(1,806万人)は、高止まりの状態が続いている。
こうして通常の失業保険申請は減少傾向になってはいる。ところが、COVID-19対策で導入された追加失業給付(「Topics2020年3月30日 2兆ドル対策(COVID-19)」参照)の新規申請数は、
5/30: 79.9万人
6/ 6: 70.0万人
6/13: 77.4万人
6/20: 88.1万人
6/27: 99.7万人
7/ 4:103.9万人
と、6月半ばから増加傾向を示している。感染者数の再拡大と軌を一にしているのではないか。

Johns Hopkins University Health
※ 参考テーマ「労働市場

7月5日 Roberts最高裁長官
Source :John Roberts Was Already Chief Justice. But Now It’s His Court. (New York Times)
連邦最高裁がリベラル寄りの判決を続けている(「Topics2020年6月21日 連邦最高裁:DACA終了差し止め」参照)。その鍵を握っているのが、Roberts長官だ。Roberts長官はブッシュJr.に指名され、2005年9月29日から任に就いている。司法の専門家からは、史上稀な強力な長官と評されている。過去14期の間に、多数派となったのが88%。今期だけに限れば98%にもなる。また、判事全員一致とならなかったケースに限れば97%が多数派に入っている。逆に言えば、ほとんどの判決で、自説を通しているということになる。

この強力な長官がリベラルな判決を続けていることに、保守派は苛立っている。『長官は信念を曲げ、連邦最高裁のあるべき姿に拘り過ぎている』、『トランプ大統領が嫌がる判決を導いているのではないか』、等々。

これに対して、Roberts長官は、『政党に所属する連邦議会議員のように振る舞うことはない』との信念を持っている。しかも、彼自身は現在65歳で、少なくともトランプ大統領より長く職に留まることは確実だ。何も恐れる必要がない。

ただし、今年秋の大統領選でトランプ大統領の留任が決まれば、Roberts長官と言えども影響を受ける可能性が出てくる。

Current Justices of the US Supreme Court

Name Born Appt. by First day University
John G. Roberts
(Chief Justice)
01955-01-27 January 27, 1955 George W. Bush 02005-09-29 September 29, 2005 Harvard
Clarence Thomas 01948-06-23 June 23, 1948 George H. W. Bush 01991-10-23 October 23, 1991 Yale
Ruth Bader Ginsburg 01933-03-15 March 15, 1933 Bill Clinton 01993-08-10 August 10, 1993 Harvard
Stephen Breyer 01938-08-15 August 15, 1938 Bill Clinton 01994-08-03 August 3, 1994 Harvard
Samuel Alito 01950-04-01 April 1, 1950 George W. Bush 02006-01-31 January 31, 2006 Yale
Sonia Sotomayor 01954-06-25 June 25, 1954 Barack Obama 02009-08-08 August 8, 2009 Yale
Elena Kagan 01960-04-28 April 28, 1960 Barack Obama 02010-08-07 August 7, 2010 Harvard
Neil McGill Gorsuch 01967-08-29 August 29, 1967 Donald Trump 02017-04-10 April 10, 2017 Harvard
Brett Kavanaugh 01965-02-12 February 12, 1965 Donald Trump October 6, 2018 Yale
仮に、最高裁判事が年齢順に亡くなるとすれば、リベラル派が2人続けていなくなる。トランプ氏が大統領職にあれば、そして上院で共和党が多数派であれば、間違いなく保守派の判事を指名してくるだろう。そうなると、保守派7人、リベラル派2人と極端に偏った構成となり、Roberts長官の想いのまま、ということにはなりにくい状況が出現する。もしもバイデン氏が大統領に就くとなると、リベラル派2人の後任はリベラル派、ということで、構成は変わらない。Roberts長官の力も温存されることになろう。

※ 参考テーマ「司 法」、「大統領選(2020年)

7月4日 6月雇用統計改善
Source :Hiring Surged In June With 4.8 Million Jobs Added Before New Spike In Infections (NPR)
7月2日、労働省は新規失業保険申請数を公表した。今週は142.7万人と、微減が続いている。15週間で累計4,868万人となる。(新規失業保険申請件数data

雇用保険被保険者の中の失業者数(1,929万人)は、ほとんど変わらず、高止まりの状態が続いている。
一方、同日公表された6月の雇用統計では、雇用者数が480万人増え、失業率は11.1%に下落した。
ただし、この雇用統計は6月半ば頃の状況を推計したものである。コロナ感染症拡大の模様を見れば、まさに6月半ばから反転急増しているのである。
7月の雇用統計は、覚悟しておいた方がよいだろう。

※ 参考テーマ「労働市場

7月3日 OK州:Medicaid拡充
Source :Oklahoma Votes For Medicaid Expansion Over Objections Of Republican State Leaders (NPR)
6月30日、Oklahoma州民投票で、Medicaid拡充が可決された。
  1. 施行日は2021年7月1日。

  2. 20万人以上の州民が加入資格を得る見込み。
投票結果は僅差であり、都市部の支持が高かったようだ。

Medicaid拡充州としては、OK州は37番目となる。

Health Reform's Medicaid Expansion (Center on Budget and Policy Priorities)
OK州と言えば、州知事、議会上下両院とも共和党が握っているバリバリのレッド・ステーツだ。州民投票の結果が出て、Medicaid拡充のための財源確保に州知事、議会はどう対応するのかが最大の課題だ。

一方で、COVID-19感染症は、6月に入って急増している。

Johns Hopkins University & Medicine
このような状況下で、都市部の低所得層がMedicaid拡充を切望したことは容易に想像できる。そう言えば、トランプ大統領のキャンペーン再開もOK州だったが、失敗に終わった(「Topics2020年6月22日 トランプ:キャンペーン再開」参照)。

※ 参考テーマ「無保険者対策/その他州

7月2日 COVID-19感染状況
アメリカにおけるCOVID-19の感染状況を確認するサイトをまとめておく。 ※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活