5月23日 OK州:PBM規制強化法案成立
Source :NCPA Statement on Oklahoma PBM Regulation Law (NCPA)
5月21日、Oklahoma(OK)州知事は、pharmacy benefit manager(PBM)に関する規制を強化する州法案に署名した。

具体的には、 など。

この法案成立を受けて、上記sourceの発信元であるNational Community Pharmacists Association(NCPA)は、『PBMは処方薬価格を抑制していると主張しているが、独占的で医療費高騰の主因となっている場合が多く、OK州法の成立を歓迎する』とのコメントを発表した。

ここで、管理人としては少し違和感を覚えたのだ。PBMは医療費抑制の騎士ではなかったのか、と。実際、PBMは処方薬価格抑制の旗手として期待されていた(「Topics2015年9月26日 独立系PBMの行く末」参照)。その頃は、主要PBM企業が5社程度あり、それぞれが得意分野を持っていて、市場の評価も競争的というものであった(「Topics2015年7月18日 Pharmacy Benefit Management」参照)。 ところが、現在の状況を見てみると、上位3社で市場の78%を占めている(Wikipedia)。これでは、寡占的な市場と見られても仕方あるまい。大手同士の統合が、PBMを医療費抑制の騎士から処方薬価格高騰の悪魔に変えてしまったのかもしれない。

※ 参考テーマ「医薬品

5月22日 CT州:7番目の最低賃金$15
Source :Connecticut Lawmakers Approve $15 Minimum Wage (SHRM)
5月17日、Connecticut(CT)州議会は、最低賃金を2023年までに$15/hに順次引き上げていく法案を可決した。法案はCT州知事に送付されたが、州知事は以前から法案を支持する意思を表明しており、署名は時間の問題だろう。

法案に盛り込まれている引き上げスケジュールは、次の通り。
  1. 現 行:$10.10
  2. 今年10月:$11
  3. 2020年:$12
  4. 2021年:$13
  5. 2022年:$14
  6. 2023年:$15
  7. 2024年以降:連邦のEmployment Cost Indexに連動させる。
法案が成立すれば、CT州は7番目の最低賃金$15/hの州となる。これまでに$15を実現した州は、次の通り。
California, Illinois, Maryland, Massachusetts, New Jersey, New York, (Washington, D.C.)
(追記)
5月28日に、州知事が署名、同法案は成立(Press Release)。

※ 参考テーマ「最低賃金

5月21日 免責額負担増
Source :Deductible Relief Day: How rising deductibles are affecting people with employer coverage (Kaiser Family Foundation)
上記sourceでは、企業提供医療保険プランにおける、免責額に伴う保険加入者負担増について調査している。

そこでは、"Deductible Relief Day"の経年変化を示している。"Deductible Relief Day"とは、「平均的な医療支出が平均的な免責額を超える日」と定義されている。つまり、免責額負担から解放され、保険給付が始まる日ということである。

今年の免責額解放日は、5月19日と推計されている。これを経年変化で見ると、徐々に遅くなっている。
2006年当時は2月28日で、新年が始まって2ヵ月我慢すれば保険給付が得られたのに、今や半年近く経たないと保険給付が受けられない。これは、免責額が引き上げられたことによるもので、2018年の平均免責額は$1,350にまで増額されている。

医療保険プランにおける自己負担の3形態、免責額、窓口負担、保険料負担の推移をみても、免責額の引き上げが大幅であったことがわかる。
免責額が今以上に引き上げられていって、平均的な免責額解放日が半年を過ぎてしまったら、さすがに加入者たち(=従業員たち)も怒るだろう。

※ 参考テーマ「医療保険プラン