10月20日 免責額に要注意 
Source :Unable to Meet the Deductible or the Doctor (New York Times)
2015年の保険加入申請開始となる11月15日まで、あと1ヵ月を切った。上記sourceは、初年度の2014年のプラン選定では、保険料の高低に注目が集まっていたが、同時に、免責額にも注目してプラン選択すべきだ、と述べている。1年経って、ようやく免責額の高さが問題となる場合が認識されてきたようだ。

Exchangeで提供されている保険プランの場合、保険料を抑制するために免責額が相当高くなっていることが紹介されている。
免責額の比較(2014年)
企業提供保険プラン
(Kaiser Family Foundation)
Exchangeプラン
(HealthPocket)
"Silver" Plans "Bronze" Plans
単身プラン $1,217 $2,907 $5,081
家族プラン $6,078 $10,386
保険料の低さに惹かれて"Bronze"プランを選択したものの、免責額が高くて保険給付を得られない、または診療を抑制してしまう、という現象が今になって明らかになっているのだろう。

やはり、"Affordable"な医療保険の実現は、まだまだ遠いようである。

※ 参考テーマ「無保険者対策/連邦レベル

10月17日 パートタイマーの方がお得 
Source :Part-Time Employees May Be Better Off under Obamacare than Full-Time Workers (National Center for Policy Analysis)
PPACAの影響でパートタイマーが増えている(「Topics2014年9月15日 PPACAの影響分析」参照)。上記sourceでは、企業側、労働者側ともパートタイマーへのシフトを増やすインセンティブがPPACAに盛り込まれている、と分析している。

インセンティブとなっている規定は次の3点。
  1. 週30時間以上勤務する従業員には医療保険プランを提供しなければならない。提供しなければペナルティが課される。⇒ 企業は週29時間以下のパートタイマーを増やそうとする。

  2. 保険料補助金(tax credits)の受給資格は、パートタイマーに限定されている。⇒ フルタイマーに対する実質課税となる。

  3. 所得の上昇に伴って保険料補助金は減額される。家計は、所得が増えるほど補助金を失い、税負担は増える。⇒ 働くインセンティブを阻害する。
さらに、上記sourceは、簡単な試算により、パートタイマーの方が実質所得が多くなることを示している。
Full-time worker Part-time worker
時  給 $25/h $25/h
勤務時間 40h/w 29h/w
報酬年額 $52,000 $37,700
交通費・保育費 $100/w $75
医療保険プラン 企業提供プラン(保険料補助金なし) Exchangeプラン(保険料補助金あり)
医療保険負担控除後所得 $27,021 $28,854
さらに、こうしたディスインセンティブにより、労働総時間で3%以上、フルタイマー400万人分の労働が減少したと推計している。労働市場からの退出が増加していることと無関係ではあるまい。

※ 参考テーマ「労働市場」、「無保険者対策/連邦レベル

10月16日 Cadillac Taxへの備え 
Source :Modest Premium Hikes, Higher Consumer Costs Likely For Job-Based Plans (Kaiser Health News)
2015年の企業提供保険プランの特徴が浮かび上がってきた。 概ね、これまでの傾向の延長線上ではあるが、医療保険プランの変更を企画している企業が増えていることも注目されている。2015年にプラン変更を予定している企業は68%にものぼるそうだ。

多くの企業が保険プランの変更を企画する背景には、PPACA絡みで次の2つの大きな規制が予定されていることがある。
  1. 2015年1月から、従業員100人以上規模の企業は、週30時間以上勤務の従業員に対する医療保険プラン提供の義務を負う。

  2. 2018年から、Cadillac taxが課される(「Topics2012年10月30日 Cadillac Taxのインパクト」参照)。
大企業にとって、上記1.は既に対応済みであり、課題として認識されているのは、上記2.のCadillac taxである。大企業の73%がCadillac taxが課税されてしまうことを懸念しており、その対応として、2015〜2016年にかけて医療保険プランを見直すとしている企業は62%に達する。

じっくり時間をかけて給付をスリム化する戦略である。

※ 参考テーマ「医療保険プラン」、「HSA」、「無保険者対策/連邦レベル

10月14日 D.C.が居住コスト全米一 
Source :It’s more expensive to live in D.C. than New York, study says (Washington Post)
労働省が公表した統計によると、居住に関わるコストの一家計平均は、D.C.エリアが全米一高いという。
食料品価格や駐車料金などは含まれていないようなので、生活コストが一番高い訳ではなさそうだが、それでも暮らしにくくなっているのは確かだろう。

ちょっと興味深かったのが、家事に費やす時間を男女別に見ている点である。
この図を見る限り、男女の間の家事の役割分担という意識がまだまだ強いという印象である。

※ 参考テーマ「人口/結婚/家庭/生活

10月11日 中間選挙とPPACA 
Source :Elections 2014 : U.S. Sanate (HuffPost Pollster)
アメリカは、あと1ヵ月で中間選挙を迎える。注目は上院選挙結果である。いろんな予想があるが、とりあえず、いつものHuffPostの世論調査を見てみよう。
  1. 上記sourceにある通り、世論調査では、共和党が上院の多数を握る可能性が高いとみている人は55%に達する。

  2. 大統領の医療政策に対する支持率は41%、不支持率は53%に達する。

  3. PPACAへの賛成は40%、反対は51%となっている。
Obama大統領・民主党の成果は、PPACAと同性婚だとみているが、その一方の柱であるPPACAがこれほど不人気なのであれば、上院選挙に影を落とすのも致し方ないか。

※ 参考テーマ「中間選挙(2014年)