1月31日 CA州職員の副業 
Source :Many state workers hold more than one job (Sacramento Bee)
州政府の中で2つの職に任じられている州政府職員が、先月は571人いたそうだ。いずれも労組加入員ではなく、そのほとんどがサラリーで報酬を受け取っている管理職・専門職である。

専門家は2つの点で問題があると指摘している。
  1. 連邦労働法違反の可能性がある。
  2. (管理職等に適用される)定額報酬制を回避しようとしている可能性がある。
ちなみに、副業の方の報酬は、年金給付計算には含まれないそうだ。

フルタイム契約でありながら、もう一つ別の職を任じられて報酬を得るというのは、やはりまずいだろう。こうした慣習が行われていることについて、知事・州議会も問題視しているようで、何らかの是正措置が採られる見込みだ。

※ 参考テーマ「人事政策/労働法制

1月30日 超党派の移民制度改革骨子案 
Sources : Bipartisan Framework for Comprehensive Immigration Reform (8 Senators)
REPAIR Proposal (8 Senators)
Senators Offer a New Blueprint for Immigration (New York Times)

Remarks by the President on Comprehensive Immigration Reform (The White House)
FACT SHEET: Fixing our Broken Immigration System so Everyone Plays by the Rules (The White House)
Obama Hails Bipartisan Plan to Overhaul Immigration (New York Times)
まずは、超党派上院議員の移民制度改革骨子案(28日公表)のポイントは次の通り。 超党派骨子案が公表された翌日の29日に、Obama大統領が移民制度改革についてスピーチを行った。そのポイントは次の通り。 Obama大統領としては、既に国境警備の改善は進んでいるので、@それを条件に不法移民への市民権賦与が遅れることには賛成できないのである。加えて、明言はしてないものの、A同性カップルについて異なる扱いとならないよう配慮すべき、との考えを持っている。

この2点は、まさに超党派提案で敢えて触れなかった課題だと思われる。前にも述べたように、Obama大統領が理想主義的なリベラリズムを前面に出してくると、連邦議会はスタックし、改革は進まない可能性が高い。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

1月29日 2期目の移民制度改革 
Source :Obama pivots to immigration (Financial Times)
1期目のObama大統領は、総合的な移民制度改革を実現することができず、パッチワーク的な対応をしてきた。これに対し、2期目では中心的な政策課題と位置付け、強力に取り組むとしている。その第一歩として、29日に政策提言スピーチを行うそうだ。

その際、最重要課題として位置づけられそうなのが、『不法移民への法的地位の賦与』である。これは、Bush Jr.時代にも大統領から提案され、挫折した経緯がある。今回は、先の大統領選等でヒスパニックの票を大量に失った共和党側にも危機感が募っており、超党派の法案提出も予定されているとのことである(28日に骨子を公表済み。後日言及予定)。

しかし、Obama大統領は、1期目にも、同様の政治的メッセージを発していたのである(「Topics2009年12月31日 移民法改革への取り組み」参照)。しかも、アメリカ社会の分裂状況は、当時よりも悪化している。Obama大統領がリベラルな主張に固執していると、同じ過ちを繰り返すことになりかねない。

※ 参考テーマ「移民/外国人労働者

1月28日 NLRB:機能不全の危機 
Source :Court Rejects Recess Appointments to Labor Board (New York Times)
25日、D.C.の連邦控訴裁判所が、"recess appointment"に対する厳しい判決を下した。 これらの定義は極めて厳しく、1800年代から行われてきた慣例をも否定する内容となる。

今回の判決で、NLRBの今後の活動が大きく制約されるばかりか、この1年間の違憲状態の中で判断を下した内容についても、疑義が生じる可能性が出てくる。そうなれば、NLRBは、完全に機能不全に陥ることになる。

※ 参考テーマ「労働組合

1月24日 労働組合加入率が急落 
Source :Share of the Work Force in a Union Falls to a 97-Year Low, 11.3% (New York Times)
23日、労働省が2012年の労働組合加入率・組織率を公表した。
2011年2012年
全 体11.8%11.3%
民間部門6.9%6.6%
公的部門37.0%35.9%
長期低落傾向が続いてはいたが、昨年の低下はかなり急なものとなっている(「Topics2012年1月28日 労働組合組織率低下」参照)。 この理由としては、上記sourceによれば、次のようなものが挙げられている。 統計を眺めていて、気づいた点をいくつか。
  1. 飲食業とともに、労組加入率が最も低いのは金融業で、たったの1.2%しかない。

  2. フルタイマーの労組加入率は12.5%、パートタイマーのそれは6.0%。やはり大きな差がついている。
※ 参考テーマ「労働組合

1月23日 Obama大統領2期目の就任演説 
Source :Obama Offers Liberal Vision: ‘We Must Act’ (New York Times)
21日、Obama大統領の"Inaugural Address"が行われた。

昨晩の日経(1/22)夕刊では、『「1つの国家、1つの国民として共に取り組まなければならない」と結束を呼び掛けた。』と報じた。しかし、今朝の日経(1/23)朝刊では、『「平等な社会の実現」を訴え、リベラル色の濃い従来の持論を前面に押し出した』と報じた。

アメリカでの受け止めは、今朝の日経朝刊の方が的確なようである。上記sourceのNew York Times紙、は、そのニュアンスを短く正確に伝えている。
"・・・Mr. Obama dispensed with the post-partisan appeals of four years ago to lay out a forceful vision of advancing gay rights, showing more tolerance toward illegal immigrants, preserving the social welfare safety net and acting to stop climate change."
太字の部分は、当websiteの関心政策課題である。

中でも、同性カップルへの権利賦与に関しては、突出している。この短いスピーチの間に、"equal"または"equality"という単語が7回も出てくる。特に、"our journey"の所では、連発されている。

演説最後の方で、Obama大統領は、次のように呼び掛けている。
"For now decisions are upon us and we cannot afford delay.  We cannot mistake absolutism for principle, or・・・"
ここの所を、日経は、『絶対主義を理念と取り違えてはならない』と訳しているが、absolutism=絶対主義の意味として、「絶対的な価値観を認める立場」(広辞苑)というものがある。ここでの大統領の言葉は、国家体制のことではなく、まさにそういう価値観という意味で使っているのではないだろうか。おそらく、保守派の国民は、この言葉を聞いて白けてしまっただろう。「お前こそ絶対主義ではないか」と。

最後に、上記sourceから、共和党マケイン上院議員のコメントを紹介しておく。
"I would have liked to see a little more on outreach and working together,” said Senator John McCain of Arizona, the Republican who lost to Mr. Obama four years ago. “There was not, as I’ve seen in other inaugural speeches, ‘I want to work with my colleagues.’ ”"
アメリカ社会の分裂はさらに深まっていきそうである。

※ 参考テーマ「政治/外交」、「一般教書演説

1月22日 BRTの社会保障改革案 
Source :Business Groups Propose Raising Age for Entitlement Benefits (Bloomberg)
16日、Business Round Tableが、公的年金、Medicareの改革案を公表した。 全体的に所得に応じた累進性を高めることにより、給付を抑制しようという考え方のようである。

ただ、この改革案では触れられていないものがある。保険料の引き上げに関する可否である。上記sourceによれば、BRTは、『保険料の引き上げ、課税ベースの拡大は、経済成長に多大な悪影響をもたらす』と反対しているようだ。負担は増やさずに給付を抑制しようという考え方である。

※ 参考テーマ「公的年金改革」、「Medicare

1月21日 Oregon州のMedicaid改革案 
Source :Can Oregon save American health care? (Washington Post)
まずは、Oregon州(OR)の現状を確認しておく。 また、上記sourceによれば、OR州のMedicaid政策は、成功と失敗の歴史がある。 こうした歴史を踏まえ、OR州の保険監督当局は、次のように述べている。
『民間も公的部門も、医療費を抑制するために、加入資格を厳格化し、診療報酬を削減し、給付を抑制してきた。30年間同じことをやってきて、未だに課題を解決できていない。』
そこで、OR州知事は、Medicaid改革の方向性を次のように定めた。
  1. PPACAに基づき、Medicaidの加入資格を拡充する。これにより、連邦政府より、5年間で$1.9Bの資金提供を受ける。

  2. Medicaid費用の増加率を、全米平均よりも2%ポイント低い水準に抑える。

  3. 具体的には次のような措置を講じる。
    1. Medicaid加入者に対して一元的に対応する相談員を、病院、診療所に置く。いわば人的なワンストップ機能を持たせる。

    2. 州内を15の地区に分割し、その地域に居住するMedicaid加入者数に応じて予算を配分し、効率的な医療提供のためのインセンティブとして利用する。

上記の"b."は、連邦議会共和党が求めるMedicaid改革の柱、"block grant"であり、それを民主党が支配するOR州内で実施しようというのである。また、医療提供側が質とコストを意識して提供するという意味では、今流行りつつある"ACO"の考え方にも通じる。

もちろん、このような取り組みの成果が見えるまでにはまだまだ時間を要する。しかし、医療費そのものの抑制に政策課題の軸が移りつつあるのも事実だろう。

なお、Medicaidの拡充に進展があったことが確認できたため、改めて進捗状況をまとめておく。

State Health Insurance Marketplaces (CMS)
Health Reform's Medicaid Expansion (Center on Budget and Policy Priorities)
※ 参考テーマ「無保険者対策/州レベル」、「無保険者対策/OR州」、「ACO